中国、米の圧力回避狙う 北朝鮮にいら立ち トランプ氏訪中へ配慮

 中国が国連安全保障理事会の新たな制裁決議に賛成したのは、北朝鮮に致命的な打撃を与えかねない石油の全面禁輸が見送られたことが大きい。ただ、市民生活に影響のある石油精製品の供給制限や繊維製品の禁輸は認めた。6回目の核実験以降、中国は北朝鮮批判のトーンを強めており、冷え込む中朝関係の影響もうかがえる。

 「原油禁輸が盛り込まれたかどうかを安保理決議の良しあしの基準にするのは間違っている。国際的な団結を破壊するものだ」。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は12日の社説で、改めて石油禁輸に慎重な姿勢を強調した。

 一方、北朝鮮に対しても「中ロと北朝鮮が連携を取り合うことは難しい。これは平壌が反省すべきことだ」と注文した。

 中国は弾道ミサイルの発射が繰り返されても「圧力と制裁は問題解決につながらない」と主張してきた。しかし、核実験後の外務省声明では「断固たる反対と強烈な非難」と表現を強めて批判。その後も王毅外相らが追加制裁に前向きな姿勢を示した。自制を求めても応じない北朝鮮に、中国はいら立ちを強めている。

 決議では、北朝鮮の暴発を招きかねない石油全面禁輸は避けつつ、石油精製品の供給制限を盛り込むことで「石油も聖域ではない」とのメッセージを北朝鮮に送ることができる。中国にとっては絶妙な内容だ。

 決議への賛成には、経済問題を絡めて対中圧力を強める米国をなだめる狙いもある。今秋から2期目に入る習近平指導部は、トランプ大統領の年内訪中を目指しているとされる。米国の要求を断りにくい事情もうかがえる。 (北京・川原田健雄)

=2017/09/13付 西日本新聞朝刊=

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