長崎、広島訪問心待ちに ハガティ駐日米大使に聞く オスプレイの安全人知尽くす

西日本新聞のインタビューに応じるウィリアム・ハガティ駐日米大使=1日午後、福岡市・天神
西日本新聞のインタビューに応じるウィリアム・ハガティ駐日米大使=1日午後、福岡市・天神
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 米国のウィリアム・ハガティ駐日大使が1日、視察のため訪れた福岡市で西日本新聞の単独インタビューに応じた。被爆地の広島、長崎両市への訪問について「心待ちにしている」と意欲を示す一方、陸上自衛隊による佐賀空港への配備計画があり、トラブルが多発している米国製輸送機オスプレイについて、「安全確保に向け人知を尽くす」と述べた。

 -駐日米大使は近年、両市の平和式典に出席している。あなたも出席するか。

 「私はまだ両市に行ったことがなく、訪問を心待ちにしている。長崎市長と広島市副市長に会った際にも伝えた。スケジュールは固まっていないが、米大統領の代理として両市を訪問することは重要だと考える」

 「私には4人の子どもがおり先日、東京・上野にある原爆犠牲者を慰霊する『広島・長崎の火』に連れて行った。広島、長崎に連れて行くことが、戦争の悲惨さを理解する上で大切だ。親として子どもに伝える責務がある」

 -トランプ米大統領の広島、長崎訪問の可能性は。

 「大統領のスケジュールは過密だ。11月に訪日した際も滞在は数日で、被爆地から招かれていたが、実現できなかった。ただ、大統領は再び日本を訪れると確信している。その際、この話題は再び大統領との会話の俎上(そじょう)に載るだろう」

 -九州でもオスプレイに対する懸念が根強い。

 「米軍の最優先事項は『安全』だ。オスプレイにはさまざまな環境下で展開可能な独自機能がある。昨年の熊本地震では他の航空機が離着陸できない地域で救援活動に携わった。日米防衛体制にとても有益だ。配備地域の住民や乗員の安全確保に向け人知を尽くす」

 -11月の日米首脳会談では日米の自由貿易協定(FTA)についても議論したと、あなたは公表している。大統領は交渉開始を安倍晋三首相に要請したのか。

 「FTAのプロセスを正式に開始してはいない。しかし、日米両政府は(貿易不均衡是正に向けて)取り組まなければならない分野について議論した。その分野の中には、問題に対応するためにFTAという環境が必要なものも含まれる」

 「大統領は(日本が米国に求める)多国間による環太平洋連携協定(TPP)への復帰はないと明言している。だから私は、日本は米国との良質で公正な2国間の貿易協定を望むと信じる。もし日本が交渉のテーブルから離れたら何も残らない。両政府は2国間協定を模索する必要がある」

 -核・ミサイル開発を加速化させる北朝鮮に対する米国の最終目標は何か。

 「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化だ。米国の国連大使は、(新型ミサイルを発射した)北朝鮮にさらなる圧力をかけるため、国連で日本と精力的に活動している。河野太郎外相は今月、北朝鮮に関する国連の特別会合で議長を務める。河野氏は国際的な注目を一層高め、圧力をかけることができると思う」

 -実業家出身のあなたは、九州をどう分析するか。

 「アジアへの玄関口という地理的利点があり、非常に潜在力が高い。安倍首相が提唱し、大統領も賛同する『自由で開かれたインド太平洋』戦略の広大なエリアで展開し得る可能性を九州は秘めており、それは大きな強みだ」

 ◆ウィリアム・ハガティ 米テネシー州生まれ。コンサルタント会社時代に東京勤務も経験。その後、米国で投資会社を設立した。同州経済地域開発局長として日本企業の誘致にも尽力。8月、駐日大使に着任。

=2017/12/05付 西日本新聞朝刊=

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