【特派員オンライン】逃亡者の行方暴くSNS

 タイに長年潜伏していた男を追い詰めたのは、フェイスブック(FB)だった。警察当局は10日、タイ中部で、国際手配中の元暴力団員の日本人の男(74)を逮捕した。2003年に三重県で暴力団幹部が射殺された事件に関与した疑いが持たれ、14年間逃亡していたという。

 発覚のきっかけはタイ人男性のFB。「おじいさんは僕のアイドル。格好いい」と写真付きで投稿した。油断したのだろう。上半身に入れ墨が入った男の姿はネット上でたちまち話題となり、捜査員の目にも留まった。

 タイ人はFBなどの会員制交流サイト(SNS)が大好きだ。利用者は4600万人とも言われる。何かあると必ず一緒に写真撮影し、投稿する。国外逃亡中のインラック前首相の居場所判明も、ロンドンで偶然出会ったタイ人観光客が写真をFBに投稿したのが発端だった。

 無数の視線は、権力者の脅威にもなる。政権ナンバー2のプラウィット国防相は過去の写真を分析され、数百万円以上の高級腕時計を20個所持していると追及されている。情報を共有し、資産隠し疑惑をあぶり出したのはSNSだ。新たな時代の到来を感じざるを得ない。 (バンコク・浜田耕治)

=2018/01/13付 西日本新聞朝刊=

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