米朝対話「条件整った」と韓国大統領 特使団8日訪米 トランプ氏「北朝鮮は真剣」

 【ソウル曽山茂志、ワシントン田中伸幸】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は7日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が、朝鮮半島の非核化に向けて米国との対話や核・ミサイル実験凍結の用意を表明したことを受け、「米国が予備的対話に臨む程度には条件が整った」と述べた。一方、トランプ米大統領は6日、「北朝鮮は前向きに行動しているようにみえる。うまくいけば非常に肯定的な結果につながる」と対話実現への期待感をにじませたが、今後の対応に関する具体的な言及は避け金氏の真意を慎重に見極める姿勢を維持。韓国側は特使団トップとして訪朝した大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長らが8日訪米し、トランプ氏に米朝対話を促す。

 韓国大統領府によると、文氏は7日にあった韓国国会の与野党代表者との会合で南北協議の経過を報告。金氏の対応が「予想以上だった」と評価した上で「朝鮮半島の平和と非核化はとても重要な局面を迎えた」と述べ、米朝対話の条件が整ったとの見方を示した。

 ただ、対話が実現しても「楽観は禁物」と指摘。具体的な成果や実質的な進展がない限り、国際社会の制裁は緩まないとも強調したという。

 訪米に関して鄭氏は、米国に伝える「北朝鮮のメッセージが別にある」と明かしている。内容は不明だが、北朝鮮が米国の軍事圧力解消を求めるのと引き換えに、拘束している韓国系米国人3人の釈放を提案するとの観測も出ている。

 トランプ氏は6日、ホワイトハウスでのスウェーデン首相との会談時、記者団に「北朝鮮は本当に真剣だと信じている」と強調。「(歴代米政権に比べて)進歩を遂げたことは間違いない」などと語った。

 しかし、記者団から対話の条件などについて問われると、「今は話したくない。何が起きるか見てみたい」と述べるにとどめ、簡単には対話に応じられない米国の立場ものぞかせた。

 過去の米朝対話では、約束がことごとくほごにされているだけに、米政府内には慎重論が支配的なためだ。2012年には北朝鮮が核実験を一時停止する見返りに米国が食糧支援することで合意したものの、北朝鮮は同年にミサイルを発射し、合意を破棄している。

 ペンス副大統領は6日、声明を発表し「北朝鮮との対話がどの方向に向かっても、われわれの決心は揺るがない。米国と同盟国は北朝鮮が核開発をやめるまで最大限の圧力を加え続ける」と表明。「全ての選択肢がテーブルの上にある」として軍事的選択肢を排除しない方針を重ねて示した。

 同日、議会上院の公聴会で証言したコーツ国家情報長官も、北朝鮮が核放棄する可能性について「私は懐疑的だ」と述べた。

=2018/03/08付 西日本新聞朝刊=

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