タイで福島の鮮魚フェア、急きょ中止に 政府は安全を公表も…消費者団体の声に押され

 【バンコク浜田耕治】タイの一部の飲食店で10日から、福島産のヒラメなどを使った日本料理フェアが開かれる予定だったが、急きょ中止になった。安全性を懸念するタイの消費者団体などから飲食店名の公表を求める声などが上がり、主催者の食品商社が風評を恐れて取りやめを決めた。

 中止されたのは、バンコクの飲食店11店で10~31日に開かれる予定だった「うまいものフェア」。主催者の食品商社などによると、ヒラメなどの福島産鮮魚110キロを既にタイに輸出し、期間中の輸出量は1トンに上る予定だった。

 タイは2011年の東京電力福島第1原発事故後、福島県で生産された農水産物の放射性物質についてサンプル調査を実施し、12年10月以降はタイの基準値を超える農水産物は出ていない。タイ保健省は6日に記者会見し「汚染されていないことは科学的に証明されている」と強調していた。

 しかし、タイの一部の消費者団体や環境保護団体は「信用できない」として再検査を要求。うまいものフェアに参加する飲食店名の公表を求め、法的措置も辞さない構えを見せていた。このため食品商社は「無理に実施すれば店側に影響が出る」と判断した。

 原発事故後、福島産鮮魚がタイに輸出されたのは今回が初めてで、販路拡大の期待が高まっていた。福島県県産品振興戦略課の市村尊広課長は「これまでずっと風評被害と闘ってきた。悲しいが、海外でも粘り強く安全性を訴えていくしかない」と話した。

=2018/03/13付 西日本新聞朝刊=

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