米国務長官を解任 イラン核巡り相違 トランプ氏 後任にCIA長官 外交姿勢タカ派色強まる

 【ワシントン田中伸幸】トランプ米大統領は13日午前(日本時間同日夜)、ティラーソン国務長官を解任し、後任としてポンペオ中央情報局(CIA)長官を指名した。解任理由についてトランプ氏は同日、ホワイトハウスで記者団に「イラン政策などを巡る考え方や方向性の不一致」と述べた。北朝鮮政策を含め、ティラーソン氏が対話重視の穏健派だったのに対し、ポンペオ氏は強硬派として知られており、トランプ政権の外交姿勢は一層タカ派色を強めるとみられる。

 トランプ政権の閣僚の交代は、厚生長官だったプライス氏などに次ぎ3例目。ポンペオ氏の国務長官就任には議会上院による承認が必要で、公聴会は4月に開かれる予定。

 トランプ氏はポンペオ氏の後任にハスペルCIA副長官を充てる方針。議会が承認すれば、ハスペル氏は女性初のCIA長官となる。

 ティラーソン氏の解任は同日、米紙ワシントン・ポストが報じ、その後、トランプ氏もツイッターで発信した。これに対して、国務省の報道担当者は「(ティラーソン)長官は今朝、大統領と話をしていないし、(解任)理由についても知らない」との声明を出し、トランプ氏の決定が一方的だったことを示唆した。

 ティラーソン氏を巡っては、北朝鮮との対話やイランとの核合意継続の是非などに関し、トランプ氏やホワイトハウス高官との意見の相違が伝えられ、昨年から解任説がたびたび浮上。昨年7月には国防総省であった会議で、ティラーソン氏がトランプ氏を「ばか」と酷評したとも伝えられ、不仲説も流れていた。

 民間出身のティラーソン氏については外交手腕を疑問視する見方もあり、国務省内にも「長官交代は時間の問題」との見方が広がっていた。

■米外交増す不透明さ おぼつかない体制固め ティラーソン氏解任

 トランプ米大統領が13日、アフリカ外遊から帰国して4時間ほどしかたっていないティラーソン国務長官の電撃解任を表明した。北朝鮮との首脳会談など重要課題を抱える中、政策の不一致が顕著だった穏健派のティラーソン氏に代わり、強硬路線で気脈の通じ合うポンペオ中央情報局(CIA)長官を外交の司令塔に据えることで、外交政策の再構築を図るのが狙いとみられる。だがトランプ政権は閣僚だけでなく、政府高官の辞任も相次いでおり、体制固めはおぼつかない。

 トランプ氏は同日、記者団にティラーソン氏解任の理由について「いろんな問題で意見が合わなかった」とあっさり認めた上で、ポンペオ氏について「波長が合う」と強調。今後の外交政策展開に自信を示した。

 2017年の政権発足以降、トランプ氏は北朝鮮やイランの核問題などを巡る外交政策を、タカ派が目立つ側近のホワイトハウス高官に主導させてきた。

 一方、ティラーソン氏は対話を重視する国務省の従来の方針に沿った政策や人事を展開しようとしたが進まず、北朝鮮問題では今年、北朝鮮担当特別代表だったジョセフ・ユン氏が辞任。空席が続く駐韓国大使も、候補に挙がった学識経験者がトランプ政権の強硬路線に反発し就任を拒否するなど、日本など同盟国からは「話し合いたくても相手がいない」(日米外交筋)との嘆きが漏れていた。

 ポンペオ氏の国務長官就任が決まれば、トランプ政権の外交政策がさらに強硬色を濃くするのは必至だが、一方で、同じ強硬派として知られるマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も、トランプ氏との関係悪化を理由に解任をささやかれるなど、政権の足元は不安定。開催が予定される米朝首脳会談を巡り、近く日米韓の外相会談も検討されていたものの開催が見通せないなど、混乱が予想される。 (ワシントン田中伸幸)

=2018/03/14付 西日本新聞朝刊=

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