トランプ氏がTPP復帰の検討指示 日米首脳会談で協議か

 【ワシントン田中伸幸】トランプ米大統領は12日、昨年離脱を決め、今年に入り復帰を検討する意向を示していた環太平洋連携協定(TPP)について、米国に有利な協定にする協議が可能かどうか検討するよう、通商代表部(USTR)のライトハイザー代表らに指示した。TPPを巡っては今年3月、日本など11カ国が米国抜きの新協定に署名。日本は米国に復帰を呼び掛けており、17~18日に米国で開催予定の日米首脳会談でトランプ氏と安倍晋三首相が協議することになりそうだ。

 ホワイトハウスが12日、声明で明らかにした。声明や米メディアによるとトランプ氏は同日、農業の盛んな州の議員や知事たちと会談。同席したライトハイザー氏と、経済政策の司令塔を務めるクドロー国家経済会議委員長に、TPP復帰の検討を指示したという。

 中国との通商摩擦の激化が懸念される中、元々は米国が主導し「対中国包囲網」とも位置付けられるTPPの存在価値を、トランプ政権が再認識した可能性がある。ただし、同日の上院委員会で、次期国務長官の指名承認に関する公聴会に出席したポンペオ米中央情報局(CIA)長官が、トランプ氏のTPP復帰検討指示について議員から問われ「初耳だ」と答えたように、トランプ氏の発言は唐突な印象も否めない。

 トランプ氏がこの日会談した議員らの地元は、中国側が米国産の輸入農産品に対する追加関税措置の対象に挙げる産地と重複。トランプ氏の通商政策に関係者の不満が募っている。また多くの農業団体がTPPなどの貿易協定参加を求めており、支持離れを恐れるトランプ氏が、農業地域に対する「リップサービス」をしたとの見方もある。

 日米首脳会談では通商問題が議題の一つで、安倍氏はTPPに関するトランプ氏の真意を探るとみられる。一方、トランプ氏は12日深夜のツイッターで「TPPが十分良い内容であれば復帰する」と言及しつつ、日本に対して「長年、貿易で米国に打撃を与えた」と批判し、2国間協定締結の必要性を改めて強調した。

=2018/04/14付 西日本新聞朝刊=

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