北朝鮮、核実験の中止決定 党中央委、ICBMも 核兵器処分は言及せず

 【ソウル曽山茂志】北朝鮮は20日に平壌で開いた朝鮮労働党中央委員会総会で、21日から核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を中止することを決定した。2006~17年に計6回の地下核実験を強行した北東部豊渓里(ブンゲリ)の核実験場も廃棄する。朝鮮中央通信が21日伝えた。これまでの核・ミサイル開発戦略を封印し、27日の南北首脳会談と、6月初めまでの開催で調整している史上初の米朝首脳会談の環境を整える狙いとみられる。

 トランプ米大統領はツイッターで「北朝鮮と世界にとって非常に良いニュースだ。大きな進歩だ」と歓迎。27日に金正恩(キムジョンウン)党委員長と文在寅(ムンジェイン)大統領との首脳会談を控える韓国大統領府も「全世界が願う朝鮮半島の非核化に向けた意味ある進展だ」と評価した。

 朝鮮中央通信によると、総会で採択した決定書は「核実験中止は世界的な核軍縮に向けた重要な過程」と表明し、「わが国に対する核の威嚇がない限り、核兵器を絶対に使用しない」と強調。一方、既に保有しているとみられる核兵器やICBMなどを処分する「非核化」には言及せず、核保有国として国際社会との交渉に臨む姿勢もうかがわせた。核実験場の廃棄時期も不明だ。

 正恩氏は一連の首脳会談を念頭に「朝鮮半島の緊張緩和と平和定着に向けた新しい気流が形成され、国際政治構図に劇的な変化が起きている」と指摘。その上で「核開発の全工程、運搬発射手段の開発が科学的に行われ、兵器化が検証された今、いかなる核実験や中距離ミサイル、ICBMの試射も必要なくなった。これにより、核実験場も使命を終えた」と述べた。

 総会では、正恩氏が13年に掲げた核開発と経済建設を同時に目指す「並進路線」の「勝利」も宣言。経済建設に総力を集中する新たな路線を決定した。決定書には「周辺国と国際社会との緊密な連携と対話を積極化する」とも明記し、米国をはじめ、日中韓など周辺国との対話に乗り出す姿勢も明らかにした。

=2018/04/22付 西日本新聞朝刊=

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