北朝鮮「非核化は段階的」 米朝首脳一致と報道

 シンガポールで12日に行われたトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談について、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は13日、両首脳は朝鮮半島の非核化を実現する過程で「段階別、同時行動の原則」を順守することが重要との認識で一致したと報じた。会談終了後の記者会見でトランプ氏はこの点に言及しておらず、事実であれば「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」実現まで経済制裁解除などの見返りを与えないとしてきた米国が大幅に譲歩したことになる。

 見解の相違であれば、米朝の基本的な立場の隔たりが早くも露呈した格好だ。

 同通信によると正恩氏は「米側が信頼構築措置を講じれば、われわれもそれに応じて追加的な善意の措置を取る」と述べ、制裁解除などの米側の見返りに伴って、非核化の措置に段階的に応じる考えを表明。トランプ氏も同意したとしている。

 ポンペオ米国務長官は会談前日の11日の記者会見で「CVIDだけが、米国が唯一受け入れられる結果だ」と強調。トランプ氏は12日の会見で、制裁解除について「核の問題がもはや重要ではないと思った段階で、解除に移すことはできる。今後しばらくの間は制裁について変化はない」と述べていた。

 ポンペオ氏やボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は来週にも、非核化の詳細について北朝鮮側と協議を始める予定で、認識のずれが表面化する可能性がある。

 同通信によると、正恩氏は会談で「相手を刺激し敵視する軍事行動を中止する英断を下すべきだ」と要求。トランプ氏はこれに理解を示し、米朝間で対話を進めている間は米韓合同軍事演習を中止する意向を表明。米朝関係の改善が進むに従って制裁を解除することができると伝えたという。

 一方、トランプ氏が提起したという日本人拉致問題について、同通信は言及していない。また、トランプ氏は会見で「(非核化のコストについては)韓国と日本が北朝鮮を大いに助けてくれると思う」と述べたが、同通信はこれについても触れていない。(シンガポール浜田耕治、曽山茂志、田中伸幸)

=2018/06/14付 西日本新聞朝刊=

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