タイの洞窟、増水の危機 週末大雨予想 13人の潜水脱出強行を検討

 【チェンライ浜田耕治】タイ北部チェンライ県の洞窟内に閉じ込められている地元サッカーチームの少年ら13人について、ナロンサク知事は5日、降雨の影響で洞窟内が浸水する恐れがあるとして、多少のリスクがあっても潜水で脱出させる可能性があると述べた。救出時期は未定。少年らがいる場所につながる穴を地表から掘削する計画があることも明らかにした。

 知事は記者会見で「100パーセント安全との確証が得られなくても(場合によっては)脱出させなければならない」と述べた。これまで救助当局は、狭くて水流も速い洞窟内を潜水経験のない少年らに泳がせるのは危険として、体力回復や排水作業を優先し潜水による救出を急がない考えを示していた。

 しかし、週末にかけて大雨が予想され、洞窟内の水位が上がる懸念が高まり、事実上、方針を転換したとみられる。13人が避難している洞窟入り口から約5キロの高台は水に漬かっていないが、雨量次第では浸水し、13人が危険にさらされる可能性があるという。

 ただし、潜水による脱出には危険が付きまとう。少年たちがいる場所から洞窟の出口までは「海軍特殊部隊の潜水士でも5時間を要する」(軍幹部)という。地元メディアによると、少年1人に潜水士2人が同行する予定だが、途中には複数の難所があり、少年らは独りで泳いだり潜ったりしなければならないという。

 当局は降雨予想をにらみながら、救出時期を検討。13人一緒ではなく、準備ができた少年から随時、脱出させる方針だ。少年たちの大半は泳ぎができないが、4日から洞窟内で海軍の指導を受けて、潜水用マスクの装着や呼吸法などの訓練を始めているという。

 一方、知事は「別の選択肢が出てきた」と述べ、山腹から洞窟内に穴を掘り、そこから13人を救出する方法を検討していることも明らかにした。少年らがいる場所のできるだけ近くに穴を掘るため、潜水士や人工衛星の情報などを基に掘削地点を探しているという。

 地元メディアによると、洞窟内で17歳の誕生日を迎えた少年の母親は、家族で誕生日を祝うために買ったケーキを冷蔵庫に保管したままだという。タイ海軍が4日に公表した動画を見て、母親は「無事な様子を見ることができて良かった。ほっとした」と話した。

=2018/07/06付 西日本新聞朝刊=

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