「助けてくれてありがとう」 「特殊部隊員になりたい」 タイ洞窟生還の少年らが初の会見

 【バンコク浜田耕治】タイ北部チェンライ県の洞窟から奇跡的に生還を果たした地元サッカーチームの少年ら13人が18日、救出後初めて記者会見し、洞窟内で過ごした過酷な体験を語った。少年たちは救助活動中に潜水士が亡くなったことを知って「ショックだった」と語り、「助けてくれてありがとう」と感謝の言葉を口にした。

 少年12人と男性コーチ(25)の計13人は6月23日、洞窟に入った。その理由について、コーチは「洞窟の奥深くに『伝説の町』があるといううわさを聞いた。1時間だけ探検しようとなった」と語った。しかし、途中から水位が上がって出られなくなり、洞窟内の高台にとどまり、助けを待つことにしたという。

 食料は何もなく、出口を探して交代で土を掘り、壁からしたたり落ちる水だけを飲んで過ごした。少年の一人は「食べ物のことを考えないようにした」。別の少年は「サッカーの練習に行くと言って家を出た。お母さんから叱られると思った」と振り返った。

 7月2日に捜索中の潜水士に発見され、8~10日に全員が順次、助け出されたが、亡くなった潜水士(38)について、コーチは「13人のために命を懸けてくれた。自分のせいだと思った。彼の家族を悲しませ、困らせた」と悲痛な思いを語った。少年らは今後について「立派な大人になりたい」「もっと強くなりたい」と誓い、「(救出してくれた)特殊部隊員になりたい」と語る少年もいた。

 記者会見はテレビで全国に生中継された。少年らが心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こす恐れがあるとして、記者の質問を事前に精神科医がチェックし、司会者が代表で質問した。13人は健康状態が良く、感染症の恐れもないとして18日に退院した。

=2018/07/19付 西日本新聞朝刊=

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