【特派員オンライン】タイ洞窟救出と信仰の力

 丸坊主頭で手を合わせる、少年たちのほほえましい姿が5日付のタイの地元紙を飾った。北部の洞窟から救出された13人のうち、クリスチャンの少年1人とコーチを除く11人が、寺での修行を4日に終えたのだ。

 タイは国民の94%が仏教徒。男は一生に一度は出家し、厳しい修行に励む。徳を積んで、来世により良い状態で生まれ変わるためだ。亡くなった人に徳をささげることも可能で、少年らは救出活動中に死亡した潜水士の追悼のために出家した。

 宗教には縁のない私のような不信心者でも、今回の救出劇では信仰の力を感じざるを得なかった。洞窟の暗闇で13人は瞑想(めいそう)をして飢えと恐怖に耐え、長期に及ぶ救出活動を多くの人々が仏教の教えを胸に支えた。

 少年たちを発見した英国人潜水士はクリスチャンだった。避難場所とみられた空洞は無人。さらに奥まで潜水して発見に至るのだが、命綱のロープが15フィート(4・6メートル)短ければ発見は無理だった。「ロープは神様が用意してくれた」と語った。

 奇跡の救出劇は、人間の勇気のたまものだ。だが、さまざまな神々が信じる人たちに力を与えていたのも確かだと思った。 (バンコク・浜田耕治)

=2018/08/06付 西日本新聞朝刊=

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