韓国、慰安婦研究所を開設 日韓合意批判の教授 所長に

 【ソウル曽山茂志】韓国政府は10日、旧日本軍の従軍慰安婦問題の調査研究に取り組む「日本軍『慰安婦』問題研究所」をソウル市内に開設した。開所式に出席した鄭鉉栢(チョンヒョンペク)女性家族相は「世界中で女性の人権侵害が起きないように考える教育の場にしたい」と強調、慰安婦問題を巡る2015年末の日韓合意とは切り離して普遍的な「人権問題」として研究する考えを明らかにした。

 研究所開設に対し、日本政府は外交ルートを通じて「日韓関係の未来志向の発展に向けた努力に水を差しかねない」として、合意の理念に反することがないよう韓国側に申し入れた。文在寅(ムンジェイン)政権は7月、日韓合意に基づいて日本が拠出した10億円を代替する目的の予算を承認。合意を否定するような政策を相次いで打ち出している。

 ソウル駅に近いビル内に開設された研究所の所長には日韓合意に批判的な慶北大の金昌禄(キムチャンロク)教授が就任。今後、韓国内外に散逸する慰安婦問題に関係する記録を発掘、調査し、データベース化を進める。翻訳して海外にも慰安婦問題を発信し、国際的な研究者のネットワークづくりも目指す。金氏は「慰安婦問題の代表的な被害国である韓国から世界に発信していきたい」と決意を語った。

 日韓合意に基づき、元慰安婦やその遺族を支援するために発足した財団は現在、事実上の休止状態。財団理事の一人は、文政権の姿勢について「初めての『慰安婦の日』を14日に控え、雇用問題などで不満が広がる国民に政策をアピールする狙いがあるのではないか」と指摘した。

=2018/08/11付 西日本新聞朝刊=

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