米、核廃棄条約離脱へ 「中距離」再開発を示唆 「ロシアが長年違反」と主張

 【ワシントン田中伸幸】トランプ米大統領は20日(日本時間21日)、米国が冷戦時代の1987年に旧ソ連と締結した中距離核戦力(INF)廃棄条約から離脱する方針を明らかにした。理由についてトランプ氏は「ロシアが長年にわたり条約に違反している」と主張。「米国は(新たな)兵器を開発しなければならない」とも述べ、中距離ミサイルの再開発に着手する考えを示した。米国が条約から離脱すれば、米ロだけでなく、国防力強化を図る中国も含めて核兵器開発の軍拡競争が加速する恐れがある。

 トランプ氏は遊説先の西部ネバダ州で、記者団からINF廃棄条約について問われ「米国は合意を尊重したがロシアはしなかった。米国は条約から離脱する」と明言。ロシアのほか、条約対象国ではない中国も核兵器開発を進めていると指摘し、こうした現状は「容認できない」と強調した。

 ロシアや中国が核開発を取りやめるよう米国に提案すれば歓迎するとの意向を示したものの「彼らがそう言わない限り、米国だけが条約を順守するつもりはない」とも述べた。

 トランプ政権は今年2月に発表した新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」で、ロシアや中国による核戦力増強などに対応するため、爆発力の低い小型核弾頭や核巡航ミサイルの新規開発などを打ち出している。INF廃棄条約から離脱した上で、2010年に退役が決まった核巡航ミサイル「トマホーク」の後継ミサイル開発に着手する可能性がある。

 米メディアによると、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が22~23日にモスクワでロシアのラブロフ外相らと会談。その場でINFに関する米側の考えを伝えるとみられる。

=2018/10/22付 西日本新聞朝刊=

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