日中「競争から協調へ」 安倍首相、李首相と会談 新技術対話など合意

 【北京・川原田健雄】中国を訪問中の安倍晋三首相は26日、李克強首相と北京の人民大会堂で会談した。両首相は改善段階に入った日中関係をさらに発展させることで一致。新技術や知的財産分野で両国の協力を促進する「日中イノベーション協力対話」の創設や、今後5年間で3万人の青少年交流実施などで合意した。東京電力福島第1原発事故以来続く日本産食品輸入規制について、中国側が緩和を検討する姿勢も示した。

 李氏との会談は5月の東京開催以来。安倍氏は冒頭に「競争から協調へ、日中関係を新たな時代に押し上げたい」と表明。互いに脅威とならず、自由で公正な貿易関係を発展させるとの原則を呼び掛けた。習近平国家主席の訪日を求め「ハイレベルの往来を続けることで日中関係を発展させていきたい」と述べた。李氏は「両国関係を安定的かつ長期的に発展させたい」と語った。

 会談後、両首相立ち会いの下で成果文書の署名式を行った。文書にはほかに、中央銀行同士が通貨を融通し合う通貨交換協定の再開や、海難事故時の協力を定めた「日中海上捜索・救助(SAR)協定」の締結などが含まれた。午後には習氏と会談。早期来日を求めるほか、北朝鮮の非核化に向けた連携についても協議する方針。

 安倍氏は共同記者発表で、日本産食品輸入規制について、中国側が「科学的評価に基づいて緩和を積極的に考える」と説明したことを明らかにした。自衛隊と中国軍の偶発的な衝突回避のための通報体制「海空連絡メカニズム」のホットラインの早期開設方針で一致したほか、朝鮮半島の非核化に向け「引き続き責任を果たすことで一致した」と語った。

 会談に先立ち、安倍氏は中国共産党序列3位の栗戦書・全国人民代表大会常務委員長と会談した。

=2018/10/26付 西日本新聞夕刊=

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