韓国、慰安婦財団解散を発表 河野外相「受け入れられぬ」

 【ソウル曽山茂志】韓国政府は21日、旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡る2015年末の日韓合意に基づき日本が10億円を拠出して韓国が設立した「和解・癒やし財団」を解散し、元慰安婦らの支援事業を終了する方針を正式に発表した。合意の柱として16年7月に発足した財団は、日韓合意に批判的な文在寅(ムンジェイン)政権が発足後、活動休止状態に陥っていた。日本企業に元徴用工への賠償を命じた韓国最高裁の判決で冷え込む日韓関係はさらに悪化しそうだ。

 韓国側は同日、合意破棄や再交渉を求めない立場を改めて示したが、「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した合意は、わずか3年足らずで事実上白紙に戻ることになった。同日、安倍晋三首相は「国際約束が守られなければ、国と国との関係が成り立たなくなる。韓国には国際社会の一員として責任ある対応を望みたい」と批判。河野太郎外相も「到底受け入れられない」と述べ、引き続き合意の履行を求める考えを示した。

 財団を所管する陳善美(チンソンミ)・女性家族相は記者会見を行わず、「今後も慰安婦被害者の方々の名誉と尊厳回復のための政策推進に最善を尽くす」との談話を発表した。日本政府が拠出した10億円を原資に元慰安婦や遺族に現金を渡した財団の実績には触れなかった。

 韓国政府は、財団が元慰安婦らに支払った後に残った57億8千万ウォン(約5億7千万円)の取り扱いを日本と協議する方針。韓国は今年7月、日本から受け取った10億円相当額を自国予算で手当てしており、日本への返済も含め検討する。解散手続きには数カ月かかる見通し。

 財団は、日韓合意時点で生存していた元慰安婦47人(現在の生存者は27人)のうち34人に1人当たり1億ウォン(約1千万円)、死去していた199人のうち58人の遺族に同2千万ウォン(約200万円)をそれぞれ支給した。

=2018/11/22付 西日本新聞朝刊=

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