元徴用工問題「個人請求権消滅せず」 文大統領、日本議員団に説明

 【ソウル曽山茂志】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は14日、ソウルで面会した日本の日韓議員連盟(額賀福志郎会長)の代表団に対し、日本企業に賠償を命じた韓国最高裁の元徴用工訴訟判決について「(1965年の)韓日請求権協定を否定するわけではないが、労働者個人の日本企業に対する請求権まで消滅していないと判断したもの」と説明した。その上で「両国民の敵対感情を刺激しないよう慎重かつ節制した対応が必要だ」と述べ、判決に反発する日本側に自制を求めた。青瓦台(大統領官邸)が発表した。

 10月末の最高裁判決で新日鉄住金の敗訴が確定して以降、文氏が具体的な見解を示したのは初めて。文氏は「三権分立の中で司法判断を尊重する」と強調。韓国政府としての対応策については「十分な時間をかけて関係省庁や民間の専門家などと解決策を模索していく」として、年明けにずれ込む可能性を示唆した。

 従軍慰安婦問題を巡る2015年末の日韓合意に基づく財団の解散にも言及。「大半の理事が退任して何も活動できない状況で維持費だけが支出されていたため解散を決めた」と理解を求め、日本が拠出した10億円の残金について「(元慰安婦支援という)本来の趣旨に合致する用途に使うよう韓日で協議していきたい」と述べた。

 日韓議連はその後、韓国側の韓日議連(姜昌一(カンチャンイル)会長)と合同総会を開催。元徴用工訴訟で冷え込む日韓関係を象徴するように、安倍晋三首相は開会式に恒例となっている祝辞を寄せなかった。総会では、日本側からは元徴用工訴訟などに関連して韓国政府に適切な対応を求めることや、韓国側からは日本政府が正しい歴史認識の上に立ち未来志向的な関係を構築することが重要などとする共同声明を採択した。総会には、日本から衆参国会議員30人、韓国から約50人の国会議員が参加した。

=2018/12/15付 西日本新聞朝刊=

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