正恩氏 非核化「懸念に対応を」 中朝首脳会談 米に譲歩求める

 【北京・川原田健雄】中国政府は10日、習近平国家主席と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が8、9日に北京で会談したと発表した。正恩氏はトランプ米大統領との再会談に向けて努力するとした上で、非核化交渉について「関係各国が北朝鮮の合理的な懸念を重視し、積極的に対応してほしい」と述べ、米側に譲歩を迫った。米朝は今後、再会談に向けた調整を本格化させるとみられ、非核化措置や制裁緩和を巡って歩み寄れるかが焦点となる。

 中国国営通信新華社によると、正恩氏は非核化の立場を堅持すると表明。「朝米首脳の再会談で国際社会から歓迎される成果を得られるよう努力する。関係各国が朝鮮半島問題の全面解決を後押しするよう望む」と呼び掛けた。習氏は「朝米首脳会談が成果を上げることを支持する。関係各国は対話を通じ、それぞれの合理的懸念を解決すべきだ」と正恩氏に同調。中国として建設的な役割を果たすとも述べた。

 朝鮮中央通信も、習氏は「北朝鮮側が主張する原則的な問題は当然の要求であり、解決されなければならない」と述べたと伝えた。

 北朝鮮は核実験場を廃棄したなどとして制裁緩和を求めているが、米国は北朝鮮が非核化対象リストを出すことが先だと主張し、非核化交渉は難航している。今後、中国を巻き込んだ駆け引きが本格化しそうだ。

 朝鮮中央通信によると、習氏は会談で正恩氏からの訪朝招請を快諾、訪朝計画を伝えた。習氏は国家主席就任後、訪朝しておらず、実現すれば国家主席の訪朝は2005年10月の胡錦濤氏以来。今年が中朝国交樹立70年に当たることを受け、両首脳は中朝関係を一層強化することでも一致した。

 両首脳は8日に人民大会堂で会談したのに続き、9日も北京の高級ホテル「北京飯店」で会談。正恩氏は「中国の発展の経験は貴重だ。中国への視察を増やしたい」と述べ、習氏は「経済発展に集中することを支持する」と応じた。正恩氏は9日午後に特別列車で北京を出発、10日帰国した。

=2019/01/11付 西日本新聞朝刊=

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