「安倍首相が平和賞推薦」 トランプ氏の対北朝鮮外交 「あり得ない」の声も

 【ワシントン田中伸幸】「安倍晋三首相からノーベル平和賞に推薦された」-。トランプ米大統領は15日の記者会見で、対北朝鮮外交を評価する首相から、トランプ氏を受賞者に推薦する書簡のコピーを受け取ったことを明らかにした。しかし、北朝鮮の非核化は進んでおらず、トランプ政権は中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄をロシアに通告するなど国際秩序を乱しているとの批判も。米国内では「あり得ない」との声が出ている。

 会見でトランプ氏は、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との昨年6月の初会談などの成果として、北朝鮮が核ミサイル実験を中止していると強調。「上空でミサイルが飛んでいたが日本人は今、安全と感じている。私のおかげだ」と胸を張った。

 一方で「素晴らしい仕事をしているのに評価されない。私の受賞はたぶんないだろう」とも述べ、今月末の米朝首脳会談を巡り、北朝鮮の非核化の前進に懐疑的な見方が広がる現状への不満をのぞかせた。2009年に平和賞を受賞したオバマ前大統領には敵対心をにじませ「北朝鮮と良い関係を築けなかったし、能力もなかった」「戦争間近だった」と酷評した。

 米国内の識者や主要メディアは、進展しない非核化に批判が強いものの、米朝対話の継続には一定の評価がある。トランプ氏支持者の間には、昨年の米朝首脳会談時にもあった平和賞受賞への期待感がなお残っている。会見で「受賞しなくても構わない」と強がったトランプ氏だが、「まだ諦めていないのではないか」(保守系シンクタンク研究員)との見方もくすぶる。

 書簡のコピーを受け取った時期など詳細は不明。トランプ氏は、首相が「日本を代表し敬意を込めて推薦した」と述べたとアピールし、コピーを「美しい5枚の手紙」と喜んでいた。

=2019/02/17付 西日本新聞朝刊=

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