北朝鮮代議員名簿に正恩氏不在 最高人民会議選挙 指導体制修正か

 【ソウル池田郷】北朝鮮中央選挙委員会が12日に発表した最高人民会議(国会)の第14期代議員選挙の当選者名簿に金正恩朝鮮労働党委員長が含まれていないことが分かった。韓国統一省によると、北朝鮮の最高指導者が代議員に就かないのは1948年建国以来の歴史で初。2月末の米朝首脳再会談が事実上決裂したことも踏まえ、指導体制の軌道修正を検討している可能性がある。

 最高人民会議は立法権を有する最高主権機関で、代議員選挙は5年ごとに実施される。正恩氏は2014年、13期の代議員選挙で当選した。祖父の故金日成(キムイルソン)主席、父の故金正日(キムジョンイル)総書記も生前は選出されていた。だが、正恩氏は今回、立候補をしなかったとみられる。

 韓国メディアには、正恩氏が委員長を務める国務委員会と立法権を有する国会の権力を分立させて独裁国家のイメージを払拭(ふっしょく)する狙いがあるとの見方がある一方、結果的に国会の影響力を弱めて国務委員会の地位をさらに高めるとの観測もある。統一省は「具体的背景は今後の観察が必要」としている。

 14期代議員選挙は10日に行われた。1選挙区につき候補者1人の信任投票方式で、朝鮮中央通信は12日、投票率は99・99%、全て賛成票だったと報じた。

 当選者687人の顔ぶれには、再選された金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長や崔竜海(チェリョンヘ)党副委員長、朴奉珠(パクポンジュ)首相らのほか、正恩氏の妹金与正(キムヨジョン)党第1副部長も確認された。

=2019/03/13付 西日本新聞朝刊=

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