少数民族抑圧、中国が正当化 全人代分科会 チベット代表ダライ・ラマ批判

 【北京・川原田健雄】中国・北京で開催中の全国人民代表大会(全人代=国会)で、少数民族のウイグル族やチベット族に対する中国当局の抑圧政策を正当化する発言が相次いでいる。チベット自治区の分科会では、住民代表がチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世を批判する一幕もあり、国際社会で高まる「宗教弾圧」との批判をかわす思惑がうかがえる。

 新疆ウイグル自治区では、数十万人規模のウイグル族らが「再教育」の名目で「収容キャンプ」に拘束されているとの懸念が国際社会で高まっている。

 12日に開催されたウイグル自治区の分科会では、ショハラト・ザキル主席が記者との質疑で、自治区内に複数設けられた再教育施設について「テロの環境や土壌を根本から取り除くためだ」と説明。「海外の勢力が再教育キャンプなどと呼ぶのは捏造(ねつぞう)で荒唐無稽だ」と述べ、事実上の強制収容施設との指摘に反論した。

 ザキル氏は海外メディアから再教育施設の入所者数を尋ねられたが、明言せず、社会が必要としなくなるまで施設を撤去しない考えを強調した。

 一方、6日に開かれたチベット自治区の分科会では「チベット族の人々がダライ・ラマを熱愛する理由」について海外メディアが質問。自治区トップの呉英傑党委員会書記に発言を促されたチベット族の住民代表は「私の周囲ではダライ・ラマを熱愛する人なんて聞いたことがない」と答えた。別のチベット族代表も「チベットではみんなが厄介者だと思っている」と批判を展開した。

 呉氏はダライ・ラマについて「(インドに)逃亡して以降、チベットの人々のために何一つ良いことをしていない。一部の国際的な支持を受けているが、チベットの人たちは共産党がもたらした幸福な生活に大変感謝している」と語り、共産党支配の正当性を訴えた。

=2019/03/15付 西日本新聞朝刊=

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