タイ 軍主導政権継続へ 第1党 タクシン派と競る 8年ぶり総選挙

 【バンコク川合秀紀】タイの民政復帰に向けた約8年ぶりの総選挙(下院、定数500)が24日、投開票された。地元メディアによると、軍事政権の事実上の継続を目指す親軍政派の「国民国家の力党」と、タクシン元首相派のタイ貢献党が第1党を巡って接戦を展開した。ともに単独過半数には届かない見込みだが、次期首相の選出ではプラユット暫定首相が続投する可能性が高まった。

 選挙管理委員会の開票速報に基づいて公共放送のタイPBSが報じた獲得予想議席によると、国民国家の力党は142議席を獲得する見込み。次期首相は、上院議員250人を加えた上下両院議員750人の投票で選出する仕組み。軍政が任命する上院はプラユット氏支持とみられ、親軍政派は下院で126議席を押さえれば過半数(376議席)に届くため、プラユット氏の続投が濃厚になった。親軍政派は他の親軍政政党を加えると計155議席程度になるとみられる。

 2001年総選挙から200~300超の議席を獲得して4連勝してきたタクシン派は、タイ貢献党が141議席にとどまる見通し。他のタクシン派政党も計10議席程度。ただし、新未来党が若者人気を反映して87議席を得る勢いで、反軍政派としては計240議席程度となる見通し。首相選出に必要な376議席には及ばないが、今後の連立工作次第では下院過半数に届く可能性もある。

 タクシン派と長年政権を争ってきた民主党は、42議席が予想され、大きく後退する見込み。軍政とタクシン派の双方と距離を置く中立的な政党は民主党のほかにも複数あり、次期政権の枠組みを左右しそうだ。タイ政治の専門家は「民主党は最終的に親軍政派と連立政権を組む可能性が高い」との見方を示した。

 国民国家の力党は、軍政の強権的な手法に対する批判もあったが、政情安定と経済成長を実績としてアピールして一定の評価を受けた。タクシン派は王女を首相候補に据える奇策に出た政党が解党処分となり、支持が広がらなかった。

 選挙管理委員会は25日、開票率90%時点での小選挙区(定数350)の非公式結果を公表する予定。

=2019/03/25付 西日本新聞朝刊=

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