牛肉、対中輸出再開へ前進 日中外相会談 検疫協定で合意

 【北京・川原田健雄】中国を訪問した河野太郎外相は15日、北京で王毅国務委員兼外相と会談し、6月末に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会合の成功に向けた協力で一致した。会談後、河野氏は「(G20に)習近平国家主席の出席が予定されている」と記者団に述べ、2010年11月以来となる中国国家主席の訪日が6月に実現するとの見通しを示した。会談に先立つ14日、日中両政府は日本産牛肉の対中輸出再開に必要な「動物衛生検疫協定」の締結に実質合意した。

 河野氏は王氏の発言を明かさなかったが、「われわれの理解としては習主席の(G20)出席が予定されている。歓迎すると申し上げた」と言明。習氏の国賓待遇での受け入れは「特にどなたかを国賓でということはない」と否定した。

 会談で河野氏は、沖縄県・尖閣諸島など東シナ海を巡る問題について「真の意味で日中関係を安定させるためには中国側の前向きな行動が必要だ」と指摘。東シナ海ガス田共同開発に関する交渉の早期再開を求めた。また、東京電力福島第1原発事故後、中国が続ける日本産食品の輸入規制を解除することも要請した。

 両外相は、北朝鮮の非核化問題で米朝協議を後押しすることが重要との認識で一致。河野氏は日本人拉致問題の解決に向けた中国の協力を求め、王氏は日本の立場に理解を示した。

 河野氏は李克強首相とも会談。李氏は関係発展に「具体的な実務協力を進めることが大事」と述べた。

 一方、14日には日本から河野氏や世耕弘成経済産業相ら6閣僚、中国から王氏らが出席し「日中ハイレベル経済対話」を北京で開催。動物衛生検疫協定について実質合意した。中国は01年の牛海綿状脳症(BSE)発生以降、日本産牛肉の輸入を禁止している。対中輸出の解禁までには他の手続きも必要だが、河野氏は「解禁に向けた重要なステップ」と評価した。

 河野氏によると、経済対話で日本側は中国に進出した日本企業に対する強制的な技術移転や知的財産権保護に関する懸念を伝達。中国側は、第5世代(5G)移動通信システムの活用を巡り、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を日本市場から排除しないことなどを求めた。

=2019/04/16付 西日本新聞朝刊=

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