ポルトガル語の響き

 欧州の人たちが熱狂するものに、サッカーなどのスポーツ以外で国対抗歌謡祭「ユーロビジョン」がある。スイスに本部のある欧州放送連合が1956年、加盟国共通の娯楽番組として参加7カ国から始めた。60年以上の歴史の中でイスラエル、アゼルバイジャン、そしてオーストラリアなど欧州以外も参加し、今年は42カ国となった。

 今月13日にウクライナの首都キエフであった決勝で優勝したのはポルトガル代表のサルバドル・ソブラルさん。曲は「Amar Pelos Dois」(私たち2人の愛)。ゆっくりした3拍子で、ひげ面の大男が甘く優しくロマンチックに歌い上げる。何より英語のエントリー曲が多い中、ポルトガル語の響きが心地いい。「言葉こそ音楽。英語のポップスはファストフードミュージックだ。母国語で歌うから感情が入る」と彼は言う。

 大会は出場者の歌に、他国の審査員、視聴者が点数を与える方式で開催。英語の方が歌詞を理解する人が多いため有利かとも思う。けれど音楽ってそれだけじゃないのだ。 (井手)


=2017/05/18付 西日本新聞夕刊=

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