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死都が再生するとき

 映画「ゴモラ」(2008年公開)はイタリアの犯罪組織「カモッラ」を題材にした作品だった。原作ノンフィクション「死都ゴモラ 世界の裏側を支配する暗黒帝国」の著者ロベルト・サビアーノ氏が殺害予告を受け、警察の保護下で暮らしたことでも知られる。

 その「カモッラ」の本拠地であるナポリ郊外のスカンピア地区に、約半世紀ぶりに書店ができたことを欧州の電子英字紙ザ・ローカルが伝えている。「今まで本を買うには10キロほど行かなければならなかった」と、店主ロザリオ・エスポジート・ラロッサさん(29)。親類男性が銃撃で命を落とし、麻薬の密売人だったとされたことがきっかけだった。「ぬれぎぬを晴らすのに10年かかった。そのうち地区に文化的環境をつくる必要を感じた」

 警察の取り締まり強化もあり「以前は通りの50メートルおきに麻薬が取引されていたが、今は安心して歩ける」という。書店には自習室も併設。10年後にはギャングではなく子どもでいっぱいの地区になることを夢見るラロッサさん。死都はよみがえるだろうか。 (井手)


=2017/10/12付 西日本新聞夕刊=

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