ダライ・ラマと中印

 「よほど親しくないと親族の間でもダライ・ラマの話はできない。疑心暗鬼が広がり、チベット族の社会はズタズタになっている」。本紙朝刊の「『新時代』の中国」はチベット族の置かれた状況を生々しく伝えていた。

 1959年3月17日、ダライ・ラマ14世はチベットの中心都市ラサを逃れインドに亡命。ダラムサラに亡命政府を樹立した。現在も多くの僧や出家を目指す若者が生命の危険を冒してヒマラヤを越え、インドに入国しているという。タイムズ・オブ・インディア紙によると亡命「60周年」記念行事が既に始まっていて、今週はインド、ネパール、ブータンの尼僧875人が集まり祈りをささげる。

 インドは中国との関係を考慮し、全ての政府関係者が関連行事に出席しないことを決めた。一方で「人々に深く尊敬されている人物であり、政府の立場は不変だ。彼は自由に宗教活動ができる」という声明も出した。

 14世は82歳。ノーベル平和賞を受賞して30年近くになる。後継問題も絡み、今後さらにニュースの焦点になっていくだろう。 (井手)

=2018/03/06付 西日本新聞夕刊=

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