吹き替えより「ヴ」を

 日本人同様、フランス人も英語コンプレックスを持っている。南フランスの高校英語教師デルフィーヌ・タバリポンセさんは、英語の映画やドラマをテレビで吹き替え放送しないように求める運動を始めた。「ルーマニアからの転校生が英語が上手で驚いた。小さい頃から字幕で映画を見て耳で覚えていたんです」と、現地メディアにタバリポンセさん。

 吹き替えが主流のフランスでは、在住の英米人がそれを笑いの対象にすることすらあるという。だが日本の場合は、英語を生き生きとした日本語に翻訳する技術も、口の動きに合わせてそれらしくしゃべる声優も、吹き替えという一つの文化を形づくっていると思う。古い話だが、アラン・ドロンは往年の声優、故野沢那智さんの声だと信じていたものだ。

 日本の英語環境について提案させてもらうとすれば、外来語に限っては新聞やテレビで「ヴ」の表記や発音を認めることだ。そうでないと、いつまでたっても日本人はVとBの区別ができない。国語にそれぐらいのヴァリエーションはあってもいいのでは? (井手)

=2018/03/08付 西日本新聞夕刊=

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