なぜ熊本で?福岡-東京VのJ1昇格プレーオフ 短期決戦アビスパに「逆風」再び

J1昇格を決め、駆けつけたサポーターと記念写真に納まるアビスパ福岡の選手=2015年12月6日、ヤンマースタジアム長居
J1昇格を決め、駆けつけたサポーターと記念写真に納まるアビスパ福岡の選手=2015年12月6日、ヤンマースタジアム長居
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シーズン本拠地最終戦セレモニーでピッチを一周する福岡・井原監督=11月11日
シーズン本拠地最終戦セレモニーでピッチを一周する福岡・井原監督=11月11日
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 サッカーJ2リーグ戦を4位で終えたアビスパ福岡は26日に、熊本市のえがお健康スタジアムでJ1昇格プレーオフ(PO)の準決勝に臨む。

 3~6位の4チームがJ1昇格の1枠を争うPOはトーナメントで、準決勝、決勝(12月3日)ともにリーグ戦上位チームのホームで行われる規定だ。福岡の準決勝の相手は5位の東京V。本来、会場は上位福岡の本拠地、福岡市のレベルファイブスタジアム(レベスタ)となるはずだが、ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)開催に向けた改修工事で使用できない。

 近隣のJクラブ本拠地で、開催要件を満たすスタジアムを模索。代わって会場となったのが、J2熊本の本拠地えがお健康スタジアムだった。福岡県内には北九州市にJ3北九州の本拠地、ミクニワールドスタジアム北九州もあるが、こちらは26日にJ3リーグ戦の開催が予定されている。

 えがお健康スタジアムにしても熊本の全日程終了後、ラグビーW杯に向けた改修に入っており、現在は照明設備が使えない。そのためキックオフは日没の影響を受けにくい午後1時となった。準決勝のもう一つのカード、3位名古屋と6位千葉の試合は、名古屋の本拠地パロマ瑞穂スタジアムで午後4時キックオフ。準決勝2試合の開始時刻が異なるのは、J1昇格PO導入6年目で初めてのことだ。

 そんな中、福岡の川森敬史社長は20日、クラブのホームページ上で「九州のサッカーファミリーの皆様へ」と題し、異例の声明を発表した。「身勝手なお願いと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、プレーオフに挑むアビスパ福岡を九州のクラブのひとつとして、応援して頂けませんでしょうか」(原文まま)と呼び掛けたのだ。

 J2で今季2位となった長崎が初昇格を決めており、現時点で来季、鳥栖と長崎の九州2クラブがJ1に臨むことが決まっている。声明には「史上初のJ1リーグに九州地区3チームが参戦できるよう、今回のプレーオフは九州代表として戦う覚悟」ともある。地理的に九州の真ん中に位置する熊本での開催を、どうにか追い風に変え、選手を後押ししたい考えだ。

 川森社長は「改修されたレベスタでの開幕をJ1で迎えたい」と力を込める。通常、レベスタでのホームゲームでは2000円のゴール裏席当日券を、半額の1000円で販売予定。1人でも多くのサポーターを集め、ホームスタジアムで開催できない事情をカバーしようと苦心している。

 J1昇格POについては、福岡には苦い思い出がある。15年は3位から準決勝を勝ち上がって決勝に進出したが、その時の会場は、相手の4位C大阪の本拠地ヤンマースタジアム長居。当時の規定では、現行のようにリーグ戦上位チームの本拠地ではなく、決勝の会場が「中立地」としてあらかじめ決められていたからだ。同年はC大阪が勝ち上がったことで、公平性が保てないことになった。

 異論が噴出する中、大阪には約9000人のサポーターが駆けつけた。偶然にもアウェーとなってしまった状況に負けず、結果は1-1。順位が上のチームが優先される規定により、J1昇格を決めた。

 この年、レベスタでのPO準決勝で福岡に敗れた後、「アビスパ」コールで相手を決勝へ送り出したのが、同年6位だった長崎のサポーターだった。福岡は、旧恩ある長崎に続いてJ1昇格を勝ち取れるか。クラブの垣根を越えたサポーターの声援を得られるかも注目される。

=2017/11/24 西日本スポーツ=

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