水泳帽にヘッドギア…J1復帰へ頭一つ抜け出す!?アビスパ福岡に続いた珍光景

負傷した頬の応急処置後、ピッチへ出てきた福岡・堤=11月5日、レベルファイブスタジアム
負傷した頬の応急処置後、ピッチへ出てきた福岡・堤=11月5日、レベルファイブスタジアム
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ラグビーのヘッドギアを着けて練習する福岡・元斗才
ラグビーのヘッドギアを着けて練習する福岡・元斗才
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 周囲もサポーターも目を奪われた。笑うことじゃないと分かっていても、その風貌はどうにもコミカルに映ってしまう。11月5日、J2福岡-湘南戦の前半。接触プレーで左頬を切った福岡のDF堤は治療を受けた後、頭にぴったりフィットした、ずきんのようなものをかぶってピッチに出てきた。競技用の水泳帽だった。

 「切った場所が悪かったので、あの方法しかなかった。本人はよく分かってなかったみたいですけど、ピッチに戻ったら、チームメートに笑われたみたいですね」。福岡の宮田栄次トレーナー(47)も苦笑した。患部にガーゼを当て、縦横とも頭を一周させる形でテープで巻く。それをずれないように固定するのが水泳帽だ。

 同トレーナー、実際に使ったのは初めてだったが、「水泳キャップはトレーナーバッグに必ず一つ入れています」。7~8年前から海外で始まり、効果が認められ定着。実は一般的な手法なのだという。「ヘディングなんかすると、どうしてもテープがずれるんですが、それが防げる。また出血してピッチから離れることがあってはいけないので」。堤の場合は前半終了まで水泳帽でしのぎ、ハーフタイムにドクターが患部を縫合。後半は、金色の短髪が再びベールを脱いだ。

 同26日、東京VとのJ1昇格プレーオフ(PO)準決勝で、今度は韓国出身のボランチ元斗才(ウォン・ドゥジェ)が、ラグビーのヘッドギアを着けて登場した。その1週間前、最終節の岡山戦での接触プレーで、みけんの骨にひびが入っていた。

 宮田トレーナーがドクターに確認したところ「脳に異常はないみたいでプレーはできる」との見解。「でも痛みがあるみたいなので、どうやったら試合に出られるか考えて、スポーツ店に買いにいきました」。海外サッカーファンには特に、ヘッドギアはなじみ深いだろう。イングランド1部アーセナルの元チェコ代表GKチェフが、頭蓋骨骨折からの復帰直後に限らず、完治しても着用を続けたことはよく知られている。

 「もう珍しいものは出てきません。トレーナーバッグにもありませんよ」と笑う宮田トレーナー。「何もないことが一番ですから」の言葉に、実感がこもる。DF実藤の呼吸が困難になる病気や、目にボールが直撃したGK杉山の一時的な視力低下など「予期せぬことが多くて。トレーナーとしていい経験になりました」と、とにかくイレブンの無事が願いだ。

 2001年から12年続けて福岡のトレーナーを務めた宮田トレーナー。昨季はC大阪で、今季の福岡と同じ4位からのJ1昇格を経験し、古巣に舞い戻った。道具と思いが詰まったバッグとともに、福岡は敵地・豊田スタジアムで3日午後4時開始のPO決勝に備える。

=2017/12/02 西日本スポーツ=

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