アビスパ福岡J1逃す 井原監督「去就白紙」 クラブは既に続投要請

J1昇格を逃して、座り込むウェリントンに声を掛ける山瀬。右端は厳しい表情の冨安
J1昇格を逃して、座り込むウェリントンに声を掛ける山瀬。右端は厳しい表情の冨安
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昇格を逃し涙をぬぐう井原監督
昇格を逃し涙をぬぐう井原監督
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■昇格PO決勝

 1年でのJ1復帰を目指したアビスパ福岡が、J1昇格プレーオフ(PO)決勝で力尽きた。勝利しか許されない最終決戦で名古屋と0-0で引き分け、J1切符を逃した。クラブに来季続投を要請されている井原正巳監督(50)は試合後、去就について「白紙」とした。エースのFWウェリントン(29)はJ1神戸への移籍が決定的で、DF冨安健洋(19)も海外移籍を希望するなど、今オフは激動の予感が漂ってきた。

 力を出し尽くしたアビスパの選手が、次々とピッチに倒れ込んだ。J1昇格を懸けた最終決戦で無念のスコアレスドロー。「われわれのサッカーを集約した試合をしてくれたが、来季J1で戦わせてあげられなかった。私の力不足」。井原監督は声を絞り出した。

 J2最多の85得点を誇る名古屋の猛攻をしのぎ、ボールを奪うと速攻に転じた。前半19分の山瀬のミドルシュートはバーを直撃。後半13分にウェリントンがゴールネットを揺らしたヘッドはオフサイドの判定。それでも井原監督が求める球際の激しさは見せた。

 悔やまれるのは、リーグ戦終盤の失速だ。前半戦は首位で自動昇格(2位以内)も見えていたが、最終節で名古屋と入れ替わる形で4位になった。POは引き分けならリーグ戦の上位が昇格する規定のため、最後は3位名古屋との勝ち点1差が大きく響いた。

 「下位のチームに取りこぼしが多かった。(内容が)いい時にしっかり勝ち点3を取り切るチームをつくらないと自動昇格は難しい」。主将の三門は押し込みながらも、あと1点が取れずにドローが続いた終盤戦を悔やんだ。再び昇格に挑む来季の課題でもある。

 悔しさが残るシーズンとなったが、井原監督が求め続けた「プロ」の姿はチームに根付きつつある。これまでJ1から陥落した翌年はJ2でも低迷。今季も7月に首位から陥落すると、一部の選手から不満の声が漏れ始めた。それでも、上位戦線に踏みとどまった。

 チームを支えたのは、他のクラブも知る「真のプロ」だった。5試合の出場に終わったベテラン中村は「ふてくされたら、何も示せない」と練習から全力プレー。36歳で最年長の駒野は居残り練習を続け、同い年の山瀬は40試合に出場。若手の手本となった。

 1年でのJ1昇格を逃した試合後、井原監督は自身の去就について「全くの白紙。これからしっかり話をして、(今回の)結果を受け止めて結論を出さないと」と話した。今季は監督就任3年目。J2最少タイの36失点の堅守を築き上げた手腕への評価は高い。

 クラブは来季続投を要請しており、川森社長は「オファーは出している。あまり時間をかけずにやりたい」と話した。エースのウェリントンの退団は決定的で、海外移籍を希望する冨安らの動向も不透明。雪辱を期す来季へ向けて、まずは井原監督の慰留に全力を注ぐ。 (向吉三郎)

=2017/12/04付 西日本スポーツ=

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