10年ぶりVの西武 ここ10年のFA流出人数は12球団最多タイ

西武からFA移籍した当時の(左から)片岡、涌井、岸
西武からFA移籍した当時の(左から)片岡、涌井、岸
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 秋山、源田、浅村、山川、森、中村、外崎、炭谷、金子侑、先発は菊池。今季の開幕スタメンにFA加入選手も外国人選手もいなかったのは、12球団で西武だけだった。10年ぶりのリーグ優勝を果たした西武。この10年は、人材流出との戦いでもあった。

 最後にリーグ優勝を果たした2008年、フリーエージェント(FA)制度は2度目の改正が行われ、現行制度となる。入団年次によるが、国内FA権の取得年数が、従来より1~2年短縮された。

 アマ選手がドラフト時に入団先を選べる逆指名(後の自由獲得枠、希望入団枠)制度下での、不正な金銭供与が問題化。その制度撤廃に合わせたFA改正だった。もともと07年限りのはずの撤廃が、前倒す形で06年限りとなったのは、他ならぬ西武自身によるアマ選手への裏金問題が引き金でもあった。

 08年以降にFA移籍したのは、細川亨、土肥義弘、許銘傑、帆足和幸、中島裕之、片岡治大、涌井秀章、脇谷亮太、岸孝之、野上亮磨の10人。過去10年でFA流出10人は、日本ハムと並び12球団最多だ。栗山巧、中村剛也、炭谷銀仁朗のように、FA権を取得しながら残留したのは少数派だった。

 一方でFA獲得は1人で、これも日本ハムと並び最少。その1人は広島からFA宣言も移籍先が決まらず、翌春キャンプにテスト生として迎えた木村昇吾だった。本来的な意味でのFAの獲得は、なかったに等しい。

 FA移籍には選手の意思、球団との関係性など、さまざまな要因がある。一側面に過ぎないが、西武の場合は前提として、一時は身売りの危機を迎えるほどの財政状況があった。

 西武グループは有価証券報告書の虚偽記載問題によって経営再建を迫られ、米投資会社サーベラスが06年1~2月の会社再編を通じ、西武ホールディングス(HD)に約30%を出資。13年には株式公開買い付け(TOB)で出資比率を高めた。

 サーベラスはその過程でコスト削減のため、傘下の西武鉄道の不採算路線廃止や、西武ライオンズの売却を提案。西武HD経営陣と激しく対立した。混乱が収束に向かうのは、14年4月の西武HD上場後。サーベラスが投資回収に動き、17年8月にかけて全株を手放す。西武ライオンズの本拠地メットライフドームの改修が発表されたのは、同年11月のことだった。

 野上がFAで巨人へ移籍するとともに、牧田和久がポスティングシステムにより米大リーグへ移籍して迎えた今季。旧制度のFAで海を渡り、日本球界復帰後は楽天でプレーしていた松井稼頭央がコーチ兼任で復帰するという動きもあった。

 一方で浅村栄斗が国内FA権を取得し、菊池雄星のポスティングシステムによる米大リーグ移籍も取りざたされている。さまざまな要素をはらみながら、08年以来のクライマックスシリーズ(CS)突破、そして日本一を目指す戦いは続いていく。

=2018/10/01 西日本スポーツ=

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