グリーンハット賞プロの部に稲森、勝

グリーンハット賞を受賞し、写真に納まる(左から)稲森佑貴、後藤未有、勝みなみの代理で出席した祖父の市来龍作さん
グリーンハット賞を受賞し、写真に納まる(左から)稲森佑貴、後藤未有、勝みなみの代理で出席した祖父の市来龍作さん
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 九州運動記者クラブゴルフ分科会がプロとアマチュアで顕著な活躍を見せた九州・沖縄のゴルファーをたたえる2018年度の「第45回グリーンハット賞」の表彰式が28日、福岡市の九州ゴルフ連盟で行われ、プロの部は10月の日本オープンでツアー初勝利を飾った稲森佑貴(24)=五洋ホールディングス、鹿児島市出身=と、11月の大王製紙エリエール・レディースでプロ転向後のツアー初勝利を挙げた勝みなみ(20)=明治安田生命、鹿児島市出身、アマの部は9月の日本女子オープンでローアマとなった後藤未有(18)=福岡・沖学園高3年=が選ばれた。稲森と後藤は初受賞。勝はアマで2度受賞したがプロでは初。式には稲森と後藤が出席した。

■稲森「積極的に海外挑戦」

 稲森は初受賞に驚きと喜びを口にした。「まさか、まさかですよ。ツアーで2勝した(秋吉)翔太さんだと思っていた。でも、うれしいですね」と笑みを浮かべた。

 ツアー初優勝が日本オープン。九州の先輩が今年、次々とツアー優勝を飾り「流れに乗りたかった」という。中でも同じ鹿児島県出身で小学校時代から親交がある出水田大二郎が8月のライザップKBCオーガスタでツアー初勝利を挙げ、「先を越された、と思った。悔しかった」と刺激を受けた。それでも課題のアプローチを鍛えた成果を日本オープンで発揮。「優勝してやっとスタート地点に立った感じ」。賞金ランク3位で、フェアウエーキープ率、パーセーブ率は堂々の1位だ。

 日本オープンの勝利で5年シードを得ただけに、稲森は世界に目を向ける。日本オープン直後の世界選手権シリーズ、HSBCチャンピオンズで73位に終わった。「5年間をどう使うか。海外での試合を優先して、積極的に挑戦していきたい」と意気込んだ。

 年明けはソニー・オープン(米国ハワイ州)に参戦。国内ツアーでもあるシンガポール・オープンも加えた1月の2試合に初めて専属トレーナーを帯同する。「来年はとにかくけがをしないこと。あとは5、6メートルのパットの精度を高めたい」。大舞台での勝利をばねに飛躍する。 (林 原弘)

 ◆稲森佑貴(いなもり・ゆうき)1994年10月2日生まれ。6歳でゴルフを始め、2011年、鹿児島城西高2年時にプロテスト合格。同年、日本プロゴルフ新人選手権を制し、14年には出場わずか7試合で賞金シードを獲得。17年は賞金ランク20位。得意なクラブはドライバーで、15年から4年連続でフェアウエーキープ率1位を誇る。今シーズンはパーキープ率も1位。169センチ、68キロ。

■勝「来年は賞金女王」

 勝は所用のため表彰式には欠席、代理として母方の祖父の市来龍作さん(78)が出席した。市来さんは勝にゴルフを教えた「師匠」でもあり、今年も孫のラウンドに多く同行。「最初は気楽にやっていましたが、途中から横から見ていても、焦っているのが分かりました。スイングも小さくなって」。勝は男子プロの芹沢信雄のアドバイスで立ち直り、11月の大王製紙エリエール・レディースでプロ初V。「今年、谷があったので、来年は少し強くなるのでは。本人も2、3勝して賞金女王を目指す、と言っておりました。半分“ジジバカ”と思って…」。市来さんの言葉に会場が沸いた。

 ◆勝みなみ(かつ・みなみ)1998年7月1日生まれ。8歳からゴルフを始め、鹿児島高1年時の2014年、KKT杯バンテリンレディースで国内女子プロツアー最年少の15歳293日で優勝。翌15年に日本女子アマを制する。17年にプロテスト合格。今シーズンは6559万1278円を獲得し、賞金ランク9位となり、初のシード権を獲得した。157センチ。

■後藤、黄金世代に負けん

 表彰式で隣に座った稲森に一歩も引けを取らない活躍だった。後藤は5月の九州女子選手権で2年ぶり2度目の優勝。そして日本女子オープンでは通算4アンダーでローアマ(8位)に輝いた。2日目までに首位と3打差の6アンダーをマークし、優勝の可能性もあったほどだ。

 「メジャー(日本女子オープン)の大会で一番いい成績が残せて自信になりました。私の中では大きい」と笑顔で1年を振り返る。今年、後藤はプロのツアー5試合に出場し、日本女子オープンが最高位。来年プロテストを受験する予定だけに、この自信は何物にも代え難い。

 メジャーでのローアマはナショナルチームのメンバー入りという勲章をもたらした。プロテストの最終試験は来年11月だが、それまではアマチュアとしてプレーする。「日本代表としてアマの代表として派遣される。しっかりと自覚を持ってやっていきたい」。日の丸を背負ってのラウンドは、将来の後藤に大きなプラスになるだろう。

 表彰式には勝みなみの母方の祖父・市来龍作さんも来ていた。勝は畑岡奈紗、新垣比菜ら「黄金世代」の筆頭格。「私が高校1年の時の3年生たち。先輩たちに負けないように黄金世代になりたいし、私が筆頭の存在になれれば…」。今の後藤は体全体がワクワクで占められている。 (森本博樹)

 ◆後藤未有(ごとう・みゆう)2000年9月29日、北九州市出身。テレビCMで宮里藍に憧れ、4歳からゴルフを始める。15年九州ジュニア(12~14歳)、16年と18年の九州女子選手権、18年九州高校ゴルフ選手権に優勝。得意クラブは9番アイアン。ドライバーの平均飛距離250ヤード。ベストスコアは63(かごしま空港36CC)。157センチ。

■大会の権威、注目度など重視

 プロの部は男女とも九州・沖縄関係のツアー優勝者が多く、男子と女子に分けて選考を行った。男子は稲森とツアー初勝利の後にすぐ2勝目を挙げて全英オープンにも出場した秋吉翔太との議論になったが、権威ある日本オープンでのツアー初勝利を評価する意見が多く、稲森が選ばれた。女子は勝と賞金ランク4位の比嘉真美子との比較になったが、プロ転向後のツアー初勝利に九州のゴルフファンからの注目が集まっていたことも考慮し、勝を選んだ。アマは後藤のほか、日本ミッドシニア優勝の中村幸造(フクイ)=鹿児島実高出身、日本ジュニア女子12~14歳優勝の森愉生(岡山・倉敷西中)=大分県出身=も候補に挙がったが、後藤の評価が非常に高く、文句なしの選出となった。

=2018/12/29付 西日本スポーツ=

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