鹿商、進化する剣風 越境入学の肱岡4人抜き

【男子2回戦・鹿児島商‐杉並学院】村上(杉並学院・左)との激しい攻防で面が外れる肱岡(鹿児島商)
【男子2回戦・鹿児島商‐杉並学院】村上(杉並学院・左)との激しい攻防で面が外れる肱岡(鹿児島商)
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 平成29(2017)年度玉竜旗高校剣道大会は第4日の27日、男子の試合が始まり、2回戦の一部まで行った。男子では史上初の4連覇を狙う九州学院(熊本)、前回3位の福岡大大濠、今春の全国選抜で九州学院に次ぐ2位の水戸葵陵(茨城)、同3位の東福岡が3回戦に進出。過去に優勝経験を持つ鹿児島商、福翔(福岡)も2回戦を突破した。ノーシードの日章学園(宮崎)が2回戦でシード校の日本航空(山梨)を破った。この日は48人が5人抜きを達成。28日は2回戦の残り試合から4回戦まで行われ、玉竜旗で昨年まで3年連続準優勝の島原(長崎)が登場する。

 古豪の“伝統”を破壊した剣士が新たな伝統の第一歩を刻んだ。鹿児島商のムードを中堅の肱岡駿季(2年)が変えた。「後ろには回さないつもりでした」。相手次鋒から3人を抜くと大将には相手が飛び込んできた瞬間に面を一太刀。1本勝ちでチームを3回戦に導いた。

 1971年に玉竜旗を制した名門の道場に、昨春から関西なまりが響く。肱岡は同校がこれまで受け入れていなかったという越境入学。大阪府警で働く父の明洋さんが同校OBという縁で大阪市の放出(はなてん)中から来た。

 肱岡、そして父が鹿児島商工(現樟南)OBで愛知県出身の山下和真(2年)の2人は伝統を守り抜いてきた鹿児島の剣風に化学反応を起こした。「それまでは対戦機会があまりない県外の選手に苦戦していたけど、2人と稽古することによって対応できるようになった」。そう話す大将の竹内秀(3年)によると「しつこく粘っこい」鹿児島の剣風に対し、肱岡は「足を使って1本を狙ってくる」という。

 2年前の全国中学校大会団体戦に出場した伊集院中のメンバーも加わり、2人と融合。7月の全九州大会(対勝負)では全国選抜を制した九州学院と予選リーグで引き分け、決勝トーナメントで3位に入った。「優勝を意識しています」。萩雅彦監督は言い切った。

 「こいつ、最近は鹿児島弁が入ってきてます」と竹内が肱岡を指さして笑う。こちらの“融合”も進むチームワーク抜群の鹿児島商が新たな歴史の扉を開く。

=2017/07/28付 西日本新聞朝刊=

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