ソフトバンク柳田が復帰 脳振とうからの「復帰プログラム」の仕組みは?

復帰したソフトバンク・柳田
復帰したソフトバンク・柳田
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 左側頭部打撲から一時離脱していたソフトバンク柳田悠岐外野手(29)が、8日ぶりにスタメン復帰。2安打を放つなど3出塁で、チームの5連勝に貢献した。

 16日西武戦(メットライフドーム)の試合前練習中、相手野手のフリー打撃の打球を左側頭部に受け、大事を取って試合を欠場。脳振とうの疑いがあったため、翌17日に「脳振とう特例措置の対象選手」として出場選手登録を外れていた。

 脳振とう特例措置は、日本野球機構(NPB)が2016年6月に導入した制度。出場選手登録を外れた場合、通常は10日以上経過しないと再登録できないが、脳振とうの場合はNPBが定める復帰プログラムをクリアすれば、10日を待たず復帰できるようになった。

 モデルは米大リーグ(MLB)が11年に導入した短期の故障者リスト。それまで故障者リストは15日間と60日間の2種類(現在は10日間と60日間)だったが、脳振とうを起こした選手を対象に7日間の故障者リストが設けられた。

 脳振とうを起こした選手は、たとえ回復したようでも、短期間に再び衝撃を受けると脳に重大なダメージが生じる危険性が高まる。「セカンドインパクト症候群」と呼ばれるものだ。

 問題は、プレーに大きな支障がなさそうに見える状態で、大事を取って規定の10日間や15日間、離脱させられるか。そこで特例措置があれば、出場選手登録抹消のハードルが下がり、選手が強行出場するリスクは低減できる。

 症状確認には「SCAT」(Sports Conccusion Assesment Tool=スポーツ脳振とう評価ツール)が用いられる。多くのチェック項目が設けられており、自覚症状や、平衡感覚、認知機能を確認する。

 NPBが定める復帰プログラムは、脳振とうの症状がなくなった日を「ステージ0」に設定する。翌日の「ステージ1」で、軽めの有酸素運動などで始動。徐々に強度を上げ、接触を伴うプレーも確認し、「ステージ5」で全体練習に参加する。この翌日から復帰できる。「ステージ0~5」を順調に過ごして6日間となる。こちらもMLBがモデルだ。

 負傷した日から何日目が「ステージ0」となるか、またその後の経過によって、復帰に要する日数は異なる。今回の柳田の場合は17~22日の6日間だった。ソフトバンクでは昨年、高谷も脳振とう特例で出場選手登録を外れた。このときは8日間で復帰可能な状態となり、実際にはチーム事情もあって9日間で復帰している。

 用いるガイドラインや復帰プログラムには、競技によって違いがある。ソフトバンクの三森メディカルトレーナーは「週1試合ペースの競技もありますが、野球はゲーム数をこれだけこなす(レギュラーシーズン143試合)。MLBを参考にするのは当然のことですし、主観ではありますが、選手の安全を考え、基準は厳格に定められていると思います」と話す。

 なお、柳田の「代替選手」として出場選手登録されていた塚田が、代わって同抹消となった。代替選手の再登録に通常の10日間の経過は必要なく、極端に言えば翌日に出場選手登録することも可能だ。

=2018/09/23 西日本スポーツ=

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