無死満塁を無傷で脱出 興南・宮城、捕手を裏切る?神リリーフ 沖縄県勢夏70勝

8回1死満塁、力投する興南・宮城
8回1死満塁、力投する興南・宮城
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107球を投げ、1失点2四死球の好投で勝利に貢献した興南の先発・藤木
107球を投げ、1失点2四死球の好投で勝利に貢献した興南の先発・藤木
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ソフトバンク・島袋
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 甲子園の魔物に食われた左腕が、頼もしすぎる大魔神になって甲子園に帰ってきた。3-1の8回。興南先発の藤木琉悠(3年)が無死満塁のピンチを背負うと、我喜屋監督は左翼を守っていた宮城にベンチから腕をぐるぐる回しながら“サイン”を送った。

 「酷だったがタイミングを逸すると悔いが残るので腹をくくって投げさせた。彼も(左翼で)瞬時に腕を回したので」

 宮城と同じ2年生の捕手、遠矢大雅は「1点は取られてもいい」と伝えた。宮城もうなずいたが内心は違った。「1点もやらない」。1人目は外角高めへの142キロで空振り三振。2人目も142キロで投ゴロ併殺。インステップする分だけ球が内に食い込み、相手右打者が対応できない。自己最速に1キロと迫り気合みなぎる9球で最大の難所をしのぎ、夏の甲子園県勢通算70勝に導いた。

 「出来すぎで自分でもびっくり。チームに流れを持ってこようと思って投げた。遠矢に1点はいいと言われたけど、自分の方が『勝った』」

沖縄県勢夏70勝

 1年前の屈辱を忘れずにここまで来た。昨夏の甲子園では1年生ながら智弁和歌山との初戦に先発。序盤に6点リードしながら自身は5回途中4失点で降板、チームは逆転負けした。「去年も内角には投げていたが甘かった」。徹底して練習した内外角の出し入れ。試合前は「マウンドに上がるのが怖い」と言いながら、積み上げた練習が自信となり、たくましくなった自分がいた。

 バットでも二塁打2本と勝利に貢献したが「打撃に自信はない。逆に自分が怖いと思った」とおどけた。制球勝負の藤木と速球派の宮城。同じ左腕でもタイプの違う2人の“緩急”は上位進出への武器となる。沖縄大会決勝で完封した宮城は先発への思いを「ある」と隠さずも「昨年の悔しさを晴らせた。次へ向けてのいい材料」と意気込んだ。 (山本泰明)

 興南・藤木投手(昨夏は救援登板、甲子園初先発で8回途中1失点)「楽しかった。際どいコースを打ってくれてラッキーだった」

 同・遠矢捕手「宮城は気合が入っていた。甲子園でバッテリーが組めて一つ夢がかなった」

 同・西里三塁手(1年生で3安打1打点)「場面に応じて自分の役割を果たそう、と。結果が出てうれしい」


 福岡ソフトバンク・島袋(母校・興南の勝利に)

 「見ました。本当にたくましいですね。物おじせずに堂々とやっていた。監督の教えをしっかりやれていると思う。OBとして期待しています。最高の形は負けないことだけど、どこまでだとしても元気をもらえる。頑張ってほしい」

=2018/08/10付 西日本スポーツ=

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