エースになった下関国際・鶴田 初8強で思い出す4カ月前の言葉/甲子園こぼれ話

今春の選抜大会初戦で完投負けした下関国際・鶴田(1)。「信頼されるエース」として今夏の甲子園に戻ってきた
今春の選抜大会初戦で完投負けした下関国際・鶴田(1)。「信頼されるエース」として今夏の甲子園に戻ってきた
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 第100回全国高校野球選手権記念大会はベスト4が出そろった。史上最多56校が参加した熱い夏もあと2日。頂点をかけた最後の戦いを前に、各チームの甲子園を取材ノートから振り返る。

 「チームみんなに信頼されるエースになりたい」。今春の選抜大会前、まだ寒さが残る甲子園で下関国際(山口)のエース鶴田克樹(3年)は言った。だが、同大会は初戦で創成館(長崎)に1-3で敗退。昨夏の選手権大会に続く初戦敗退で「甲子園で勝利を」というチームの目標は果たせなかった。

 4カ月後、鶴田はすっかりたくましくなって甲子園に戻ってきた。今夏は初戦で甲子園常連の花巻東(岩手)を破り、創志学園(岡山)との2回戦では大会屈指の右腕、西純矢(2年)を打ち崩した。3回戦は木更津総合(東千葉)に快勝。同校初の8強入りを支えたのがエースで4番の鶴田だった。

 鶴田には昨秋の中国大会決勝で11-2から試合をひっくり返された苦い経験がある。おかやま山陽(岡山)に21安打を浴び、9回に同点とされて降板。チームは延長10回サヨナラ負けを喫し、明治神宮大会出場を逃した。「自分がちゃんと投げていれば」という悔しさはその後の支えとなっていた。

 選抜大会で敗れた後、チームは毎日午前5時からの早朝練習に取り組んだ。800メートルを10本、全員で走り込む。。記録員としてベンチ入りする学生コーチの辻原輝(3年)はずっと練習を見てきて「一番頑張ったのは間違いなく鶴田です。毎日苦しんで練習してきて、やってきた分、ちゃんと結果が出ています」と断言した。今夏の花巻東戦、創志学園戦では試合終盤に決勝点をあげて勝利。それも、鶴田の粘り強い投球があったからこそだ。

 準々決勝では強打の日大三を7回2死まで無安打に抑えた。終盤に逆転を許した鶴田は試合後、誰よりも涙を流した。山口県勢として2005年の宇部商以来の準決勝進出はならなかったが、春の言葉通り、チームのみんなが信頼するエースとして甲子園で力を尽くした。(前田泰子)

=2018/08/19 西日本スポーツ=

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