えっ、どうした? 松田、「三振」でサヨナラ勝ち

西日本スポーツ

 何とも珍しい「サヨナラ暴投」でホークスが首位をキープだ。0-1から長谷川の適時打で追いついた9回、1死二、三塁で松田が空振り三振…かと思いきや、ワンバウンド投球の暴投で三塁走者が一気に生還。負ければ首位陥落のピンチが一転、すべて1点差の3連勝を飾った。ゴールデンウイーク(GW)最終日は、ミス日本グランプリが始球式に登場。「女神」が相手のミスも誘って? ホークスは3年ぶりに貯金を9とした。

 陰の“ヒーロー”は、目の前で起きている状況に混乱していた。同点に追いついた9回、なお1死二、三塁。松田は1ボール2ストライクからワンバウンドしたフォークボールに手を出し、空振り三振に倒れた。「目の前が真っ黒になりました」。ガックリと肩を落とそうとしたその瞬間、“事件”は起きた。

 三振を奪われた投球が暴投となり、三塁走者の明石が生還。今季2度目のサヨナラ勝ちが転がり込んだ。「サヨナラになって頭は真っ白。左半分はうれしい、右半分は悔しい。複雑な気分です」。一塁へ走らなかったものの、記録上は「振り逃げ」。超レアなサヨナラ劇に当事者は我を忘れ、バットを持ったまま歓喜の輪に加わっていた。

 劇的すぎる幕切れには、秋山監督も驚きを隠せなかった。「怖いな。最後の最後まで、何があるか分からないということでしょ。三振とワイルドピッチだからな。野球は最後の最後まで、何があるか分からんよ。三振なのになあ~」。目の前で起きた光景をなかなか受け入れられずにいた。

 ただ、このサヨナラ勝ちには真の“ヒーロー”も存在する。リーグ首位打者の長谷川だ。1点を追う9回、1死一、三塁で日本ハム守護神の増井から中前打。寸分の狂いもないバットコントロールで148キロの直球をはじき返し、試合を振り出しに戻した。

 「自分に打席が回るとしたら走者を置いての状況。だからベンチではクイック(モーション)をイメージしながら準備していた。クイックが速い投手なので、とにかくクイックを攻略してやると。本当に気持ちが強く出たいいスイングだった」

 試合前まで通算対戦打率は1割8分8厘(16打数3安打)。分は悪かったが鋭い「観察眼」と類いまれな「適応力」を殊勲打につなげた。「マッチ(松田)は絶好調なので必ず打ってくれると思って見ていました。やっぱり絶好調でしたね」。お立ち台では松田の“サヨナラ打”を予測していたと明かし、興奮冷めやらない場内を盛り上げた。

 9連戦は1試合を残して5勝3敗と勝ち越しが決定。今季3度目の3連勝で首位もがっちりキープだ。「昨日もなかなか安打が出ずに勝てた。今日も安打が出ずつまらない試合だと思ったけど、最後の最後にいいところを見せられてよかったです」。勝利に対するナインの思いと、3万を超すファンの熱烈な思いが「珍勝」という形で結実し、長谷川は笑顔でGWを締めくくった。(石田泰隆)

=2014/05/07付 西日本スポーツ=

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