松田、「幻」サヨナラ弾。ビデオ判定で2塁打に。

西日本スポーツ

 マッチ、幻のサヨナラ弾にしょんぼり…。延長12回裏1死、松田宣浩内野手(31)が右手を突き上げた。痛烈な打球はバックスクリーン方向へ一直線。誰もが劇的な幕切れを信じたが、ビデオ判定となった打球はスタンドインにわずか数センチ及ばず、本塁打と早合点した松田は二塁止まり。後続も断たれて5時間17分の引き分けに終わった。ここ5試合で4度も延長戦を戦った秋山ホークスの蓄積疲労が何だか不安だ。

 右手突き上げ…

 誰もがサヨナラアーチだと信じた。同点の延長12回。松田のバットが快音を奏でた。ヤクルト石山の144キロを捉えた打球は、バックスクリーン方向へグングン伸びる。一塁を回ったところで、本塁打を確信した松田も右手を突き上げたが、次の瞬間に打球はグラウンド内へ跳ね返ってきた。

 「普通のフェンス直撃じゃなかったし、分からなかった」。松田は中堅手が打球処理するのを見て、緩めていたスピードを再び全速に戻し二塁へ到達した。バックスクリーンか、フェンス最上部か-。4人の審判団が協議したが結論は出ず、ビデオ判定となった。

 二塁ベース上の松田も、ファンも固唾(かたず)をのんで判定を待った。約6分半後に審判団が下した判断は「二塁打での試合再開」。続く本多は敬遠され、1死一、二塁から細川は左飛。明石も三振に倒れた。試合時間5時間17分。あと「数センチ」の差で勝ち切ることができず、球場には疲労感だけが残った。

 12球団最多の優勝を誇る交流戦だが、今季はあまりに流れが悪い。試合後の松田は試合後は「三塁まで行かなきゃいけなかった…」と猛省。細川の左飛はフェンス手前まで飛んだだけに、松田が三塁に進んでいればサヨナラ犠飛になった可能性が高い。結果論ではあるが、「二塁打」の代償は高くついてしまった。

 チームは5月26日の中日戦、28日からのDeNA2連戦、そしてこの日のヤクルト戦とここ5試合で4度も延長戦を戦っている。5試合の試合時間は計23時間15分。松田の一打がサヨナラ弾だったら、そんな疲れも吹き飛んだはずだが…。5試合で1勝2敗2分けという現実だけが残った。

 試合後、秋山監督は松田に「ウエート、ウエート(トレーニング)。あと3センチ」と残念そうに話しかけた。「あと1本が出ないしね。何とも言いようがない。5試合中4試合(延長戦)だろ」。指揮官だけでなく、チーム全体に漂う疲労感は打線の爆発でぬぐい去りたい。 (倉成孝史)

=2014/06/02付 西日本スポーツ=

PR

PR

注目のテーマ