九産大九州(福岡) 戦力紹介

西日本新聞

「持ち味の緩急を使い、打者のタイミングを崩したい」と意気込む岩田将貴投手 拡大

「持ち味の緩急を使い、打者のタイミングを崩したい」と意気込む岩田将貴投手

打率5割を超え、打線を引っ張る尾崎誓哉左翼手

 第87回選抜高校野球大会が21日、甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。16年ぶり2度目の出場を果たした九産大九州の目標はベスト8。学生時代、九産大の二塁手、遊撃手で福岡六大学野球のベストナインに計3回選ばれた森崎哲哉監督(56)が率いるナインの戦力を紹介する。 (国崎万智)

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古賀市にある専用グラウンドのブルペンで、主戦岩田将貴投手(新2年)がボールをコーナーに投げ分けていた。ホームベースの幅を確認するかのように…。

 最速128キロと決して速くはないが、身長178センチの左横手から繰り出す投球術で打者を翻弄(ほんろう)する。「左打者には背中からボールが迫ってくるように見え、右打者にとっては内角に食い込む。コーナーに決まれば相当打ちにくい」と森崎監督。緩急をつけて打たせて取るタイプで、昨秋の県大会、九州大会の全11試合中10試合で完投し、防御率は1・64。岩田投手も「三振を狙うのではなく、守備からリズムをつくりたい」と自覚する。

 地域の少年野球チームで活躍し、中学1年から投手に。最初は本格派左腕だったが、制球力がつかず、コーチの助言で横手投げに変えた。「腕が長いこともあり、横手投げがマッチした」。新チームと同時に「背番号1」を背負う。

 昨秋の九州大会準決勝で、優勝した九州学院(熊本)にコールド負け。相手主砲に満塁本塁打を打たれたこともあり、力不足を痛感した。「制球力だけでなく、球に力がないと強豪には通用しない」。以来、スクワットや縄跳びなどで筋力を強化し、当時62キロだった体重を5キロも増やした。「フォームも若干修正し、ボールに力がこもるようになった」

 岩田投手とコンビを組むのが、昨秋の県大会から正捕手に座る中浜英寿捕手(新2年)。「岩田の活躍は中浜のリードが大きい。遠慮なく意見をぶつけている」と森崎監督の信頼も厚い。身長180センチ、体重81キロ。ピンチを迎え、配球に悩むときには「強気で勝負」を心掛ける。

 「中浜のミットは大きく見える。体も大きく、どんなボールでも受け止めてくれるから、全力で投げることができる。打者の特徴も研究している」と岩田投手。中浜捕手も「ピンチになればなるほど、球威が上がる。岩田の集中力はすごい」と絶賛する。「二人三脚でチームを勝利に導きたい」。夢舞台に挑む2人の思いは一つだ。

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公式戦11試合のチーム打率は3割2分、総得点は65で1試合平均6得点。森崎監督は「中軸を中心に、打線のつながりが数字に表れた」と分析する。

 打線の中軸の一人は、3番の尾崎誓哉左翼手(新2年)。昨秋の県大会は直前のけがで出遅れたが、復帰後、九州大会までの8試合の打率は5割4分8厘とチーム一。巧みなバットさばきで広角に打ち分ける。「チャンスならかえし、走者がいないときはチャンスをつくる」と燃える。

 4番を担うのは、片倉瑛紀一塁手(新3年)。県大会、九州大会の打率は2割8分台にとどまったものの、昨夏の新人大会では安打を量産した。「球に当てるのがうまく、変化球にも対応できる」と森崎監督の評価も高い。5番の大野竜次二塁手(同)の打率も5割超え。チャンスに強く、公式戦10試合で12打点はトップ。二塁打4本と長打力も魅力だ。

 「ずばぬけた選手はいないが、ひたむきに練習に取り組んでおり、持てる力以上の結果を出せている」と、森崎監督は攻撃陣をこう評価する。野球部員は56人。うち新2年生が半分の27人で、バッテリーを含め5人がレギュラーの座を射止めた。こんな「若いチーム」を支えるのが、佐田一郎マネジャー(新3年)。ライン引き、飲み物の準備…。練習のときには誰よりも早くグラウンドに訪れる。打撃フォームのチェックや体調管理の相談にも応じる。

 内野手だったが、ちょうど1年前の練習中に腰を痛め、支える側に回った。「目立たなくても、努力を続ける部員の成長に気付きたい」。いつも懸命に練習する選手に目が向く。控え選手の成長が刺激となり、チーム全体の成長につながると信じているからだ。「伸び悩んでいた選手が試合で活躍することが何よりうれしい」

 全部員が一丸となって手繰り寄せた甲子園への切符。公式戦11試合で1点差勝ちが3試合、逆転勝ちは5試合。加藤弦太主将(新3年)は「持ち味は粘り強さ。一戦一戦、勝ち進んでいきたい」と誓った。

=2015/03/18付 西日本新聞朝刊=