輪戦態勢 競輪男子107、女子108期九州勢7月デビュー

西日本スポーツ

笑顔でガッツポーズをする九州107期トリオ。(左から)原口、瀬戸、竹元 拡大

笑顔でガッツポーズをする九州107期トリオ。(左から)原口、瀬戸、竹元

とびきりのスマイルを見せる108期ガールズ。(左から)山口、高橋、児玉

 今年3月、日本競輪学校(静岡県伊豆市=滝沢正光校長)を卒業した男子107期生34人と、女子108期生15人が、7月に全国各地でデビューする。郷土勢で在校成績が優秀だったのは、福岡の男女。竹元太志(19)は自転車実績が豊富で、児玉碧衣(20)はバレーボールで培った身体能力が持ち味。1年間の学校生活で鍛えられた九州の6選手たちに迫る。

■竹元太志 アマの実績抜群

 抜群のアマチュア実績を持つ竹元太志(たけもと・たいし)が「吉岡稔真さんを目標に頑張ります」と、気合を込める。

 超・高校級のサッカー選手だった父から引き継いだDNAが、活躍の源になった。ジュニアオリンピックのスプリントで準V。そしてインターハイ1000メートルと、全国高校選抜スプリントでは3位に入った。

 ずっと自転車をやっていたわけではない。小、中学までは野球漬けだったが、高校進学を前に「プロで活躍するのは、ほんの一握り。このまま野球を続けていても大丈夫なのか…」と悩んでいると、照明設備の仕事で松山ナイター競輪に縁があった父が「じゃあ、自転車をやってみれば?」。アドバイスは見事に的中。祐誠高で、眠っていた能力が一気に開花した。

 3月末に競輪学校を卒業し、現在は久留米バンクで汗を流す。「先行一本で戦えるように練習をします」と、初陣に向けて闘志をたぎらせる。

■瀬戸晋作 双子プロ目指す

 最も身近なライバルのためにも、瀬戸晋作(せと・しんさく)が激走を心に誓う。

 瀬戸には、双子の弟・栄作(えいさく)がいる。高校時代からプロを目指し、一緒に練習を続けていた。だが栄作は街道練習に向かう途中で交通事故に遭い、107期の受験を断念せざるを得なかった。「2人とも受かる自信があったのに…」

 自分ひとりでの入学に寂しさを覚えた。だが、その思いをすぐに打ち消した。「弟のお手本になるためにも頑張る」。腰痛で学校成績は28位と振るわなかったが、1000メートルなど距離別のタイムの多くは平均を超えた。レース経験を積めば伸びるタイプの典型だ。

 いつかは「珍しい双子の選手だと注目を浴びたい」。活躍を誓うとともに、1年遅れで入学した弟にもエールを送る。

■原口昌平 体格武器に反撃

 「自分は弱い。だから、もっと練習をして強くなりたい」。熱く重たいコメントに、原口昌平(はらぐち・しょうへい)の決意が感じられる。

 高校3年生になり、幼少期から頑張った野球での限界を痛感。それでも「体を使う職業に」という思いでジム通いを始めた。するとそこに、まぶしいほどに輝く競輪選手がいた。体力だけは自信がある原口の、まさに憧れだった。

 学校には、4回目の受験で合格。プロスポーツ選手への第一関門は突破したが、在校成績はビリから2番目の33位と低迷した。「力の開きが大きくて、かなわなかった」

 デビューしてからが本当の戦いだ。身長は107期生で2番目の180センチ、体重は4番目。「一戦一戦を大切に」と無駄にせず、誰もがうらやむ体格を武器に前進する。

■児玉碧衣 “女王”の妹弟子

 久留米から、またまた期待のケイリンガールが登場-。児玉碧衣(こだま・あおい)は、「最強女子」と呼ばれる小林優香(106期)の妹弟子。高校までは小林と同じバレーボールで活躍したが「背が低いので、今後の活躍は難しいかも」。

 おぼろげながらに将来の不安を感じていると「それなら、自転車はどう?」。情報処理の仕事をする母が、インターネットで見た「ガールズケイリン」への道を提案。進むべき場所は決まった。

 競輪学校の受験を1度でパスし、選抜クラスで脚力を強化。競走訓練では積極的なレース運びにこだわって、2位の好成績を残した。

 だが、108期でトップに立てなかったことに納得がいかない。「卒業記念レースの決勝戦で2着。優勝していれば在校1位だったのに…。この悔しさは絶対に忘れません」。自転車キャリアは1年半。苦い思いと有り余る伸びしろをバネに、狙うは未来の女王だ。

■高橋朋恵 一目ぼれで入門

 「これだ、私にはケイリンだ!!」。高校2年の秋、女子競輪の復活を知ったことが、高橋朋恵(たかはし・ともえ)の転機になった。

 中、高校時代は陸上競技に明け暮れたが、成績は徐々に頭打ち。そんな時に飛び込んできたのが、ガールズケイリン誕生のニュース。まさに少女は一目ぼれをした。

 “道”さえ決まれば、行動は早い。競輪のとりこになった高橋は、佐世保競輪場に出掛けてレースを観戦。さらには、長崎支部長の阪本正和からサインをもらうため、選手会事務所を訪れ、そして自転車に触れた。

 入試もわずか2度で突破。順調な足取りに見えるが、競走成績は0勝とさっぱりだった。「デビュー戦に向けて、とにかく練習します!!」。苦い思いを糧に、バンクで笑顔の花を咲かせるぞ。

■山口優衣 メンタルに自信

 中学2年の頃、家族となにげなく立ち寄った武雄競輪で山口優衣(やまぐち・ゆい)は、衝撃を受けた。「かっこいい。自転車が流れるようにすごいスピードで進んでいった。ガールズ? わたしっ、やりたい!」

 こうと決めたら突き進むのみ。スポーツと無縁だった女の子が一変した。両親からプレゼントされた自転車にまたがると、風を切る疾走感にうっとり。その勢いで自転車部の強豪・龍谷高に進学し、男子部員の中で脚力を蓄積。競輪学校の受験を一発で突破した。

 学校では0勝だったが何のその。旺盛なチャレンジ精神と、物おじしない性格はプロ向きだ。「まだ、全ての部分で劣っている。だから、強い人からいろいろなものを吸収して、強くなります」。大空に飛躍する日を夢みて、ペダルを踏む。


=2015/05/26付 西日本スポーツ=

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