全国統一終わったけん 激動の1年半ツアー 千秋楽報告

西日本スポーツ

全国コンサートツアーを締めくくったHKT48 拡大

全国コンサートツアーを締めくくったHKT48

 2014年9月の金沢を皮切りに、全20カ所を巡ってきたHKT48の全国コンサートツアー「全国統一終わっとらんけん」が6月28日、横浜アリーナでついに千秋楽を迎えた。笑いあり、感動あり、驚きあり-。今のHKT48の魅力を凝縮したような32曲に、1万2000人のファンが酔いしれた。昨年1月に始まった九州7県ツアー、同年4月から4都市を巡ったアリーナツアーを含めると、およそ1年半。途切れることなく続き、国境も飛び越え、HKTに大きな成長をもたらした旅路。その終着点で待っていたのは、達成感と新たな可能性だった。 (古川泰裕)

 ●あえて「正攻法」で

 1曲目は「HKT参上!」。初っぱなからファンの度肝を抜く選曲はHKT48の十八番だが、ここはあえて「正攻法」。AKB48の公演曲をアレンジし、「われらがHKT!」と高らかに名乗りを上げた。

 アップテンポなナンバーを連発しながら、メンバーがアリーナ席を囲む花道へ走りだしていく。メーンステージからは遠いスタンド席も、花道からは目と鼻の先。メンバーの髪が鼻先をかすめそうなほどの距離感は、ファンにとってはたまらない。「外れ席」など存在しないのが、HKT48のライブだ。

 少人数構成のユニット曲では、渕上舞(31位)や岡田栞奈(42位)など、先日のAKB48選抜総選挙でランクインしたメンバーが活躍。坂口理子(37位)、後藤泉、駒田京伽、冨吉明日香らの非公式ユニット「いもむChu!」が、矢吹奈子、田中美久、荒巻美咲の3期生トリオとともに本家「てんとうむChu!」の曲を歌うと、総選挙で一躍有名になった神志那結衣(46位)は森保まどか(43位)と、板野友美の「Dear J」をクールに披露した。

 MCを挟んだ後も、後藤と田中優香がWセンターの「ハワイへ行こう」(チームK4)、若田部遥がセンターの「カメレオン女子高生」(チームH)など、見逃せない展開が続く。より多くのメンバーにスポットライトが当たるよう工夫された構成は、指原支配人の腐心のたまものだ。

 その支配人と田中菜津美による安定感抜群のフリートークに続いたのは、まさかのブラスバンド演奏だった。トランペットやチューバ、フルートにグロッケン、ユーフォニウムにトロンボーン…。45人のメンバーが、それぞれ楽器を手に登場。客席からは期待を込めた拍手が送られる。

 ●極秘裏に練習重ね

 森保がタクトを振り、「HKT Brass Band」の演奏が始まった。ほとんどのメンバーは楽器に触れたことがなかった。そんな状況の中、4月ごろから極秘裏に練習を重ねてきたというAKB48の「フライングゲット」。つたなくもみずみずしい音色が、会場に広がった。

 指原支配人が発案した「誰かが欠けたらできない、全員が必要とされる企画」。それが、吹奏楽への初挑戦だった。未完成でも、全員がそれぞれの役割を果たし、その瞬間に全力で向き合った演奏は、まるで今のHKT48の姿そのものだ。二度と味わうことのできない一体感が、メンバーとファンの心に、確かに刻まれた。

 「大人列車」「ウインクは3回」「桜、みんなで食べた」「12秒」…。1年半前では考えられなかった終盤でのオリジナル曲メドレー。本編を締めくくる「白いシャツ」で、ステージと客席の一体感は最高潮に達した。

 「白いシャツ着よう! 太陽の匂いの…。その瞬間(とき)から生まれ変わる、新しい自分。失敗なんて、誰も気にしてないさ。だってずっと、楽しいことが、明日は待っている」

 アカペラで横浜アリーナに響くメンバーとファンの歌声。チームK4キャプテン・多田愛佳の目に、涙がにじんだ。

 ●新たな旅の始まり

 涙を拭いて、最後のアンコール。長かった旅を締めくくるのは「メロンジュース」だ。「皆さん! 本当に最後ですよーっ!」。別れを惜しむような田島芽瑠の叫びに応え、会場中でタオルが舞う。緑のペンライトに囲まれながら、最後の最後まで48人は全力で駆け抜けた。

 旅の途中では、さまざまなことがあった。出会いがあり、別れもあった。総選挙や大組閣によってメンバーの環境も大きく変わったが、寝食をともにし、苦楽を分かち合ったツアーの影響で、グループとしての結束力はますます強固になった。ツアー前はおぼろげだったHKT48の「個性」も確立され、「48グループで一番ライブが楽しい」というイメージが定着。それらは、メンバーそれぞれの知名度、人気の上昇にもつながっている。

 確固たる実績と財産をもたらしたグレート・ジャーニー。だが、終わりは新たな旅の始まりでもある。4期生の加入や、新たなチームの結成など、組織にも変化が訪れるだろう。顔ぶれが変われば、可能性はさらに広がる。今や、HKT48の前に道はない。未踏の旅路の果てに待つ宝物を、ファンとともにつかみに行く。


 ■松岡はな 今村麻莉愛 村川緋杏 ドラフト2期生お披露目

 6月27日の公演では、5月10日の「第2回AKB48グループドラフト会議」で指名した松岡はな、今村麻莉愛、村川緋杏の3人の正式加入が、お披露目と同時に発表された。“おかっぱ頭”が特徴的な村川は27日に、田島芽瑠、朝長美桜を従え「ウィンブルドンへ連れて行って」でデビュー。初舞台にもかかわらず、大きな「びびあん」コールを浴びた。

 ダンスが得意な松岡は、28日の昼公演で、多田愛佳と指原莉乃に挟まれながら「クロス」を披露し、即戦力としての存在感を発揮。身長130センチの今村は28日の夜公演に兒玉遥、宮脇咲良のセンター2人とともに登場し、自身の名前にちなんで「MARIA」を歌い、大きな声援を浴びていた。

=2015/07/10付 西日本スポーツ=

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