末っ子、兄姉超え大旗 福岡第一の1年生大将、井手さん

西日本新聞

準々決勝、島原戦の大将同士、延長が続き途中で水分補給する福岡第一大将の井手さん=26日、福岡市博多区のマリンメッセ福岡 拡大

準々決勝、島原戦の大将同士、延長が続き途中で水分補給する福岡第一大将の井手さん=26日、福岡市博多区のマリンメッセ福岡

 母の支えで剣の道に励み、兄と姉から教わった技で大旗をつかんだ-。福岡第一の玉竜旗高校剣道大会女子初制覇の立役者、1年生大将の井手璃々華(りりか)さん(16)は3人の兄姉へ感謝の言葉を口にした。「日本一になれたのは家族、きょうだいの絆という支えがあったから。ありがとう」

 井手さんは4人きょうだいの末っ子。長兄の勝也(しょうや)さん(20)、姉の璃華子(りかこ)さん(18)、次兄雷也(らいや)さん(17)を含め、全員が福岡第一の剣道部出身。兄姉に憧れ、5歳から竹刀を握った。

 母喜美代さん(40)によると、井手さんは負けず嫌いで、小学校低学年のころに自宅の棚に並ぶ大会トロフィーが兄姉より少ないのを見て「うちはお兄ちゃんたちより数を増やしてやる」と言っていたという。

 中2で全国中学校大会個人戦を制覇し、1年生ながら大将として臨んだ今大会。玉竜旗では、全国高校総体個人戦で日本一になった勝也さんも優勝できず、璃華子さんも昨年の8強が最高。「絶対に兄姉を超える」。腹は据わった。

 大会直前、関東の大学で剣道を続ける勝也さんから「大将の自分に回ってきたら、絶対に立ち向かうしかない」と激励の電話。勝也さんには幼い頃から面技を習った。大将同士にもつれ込んだ決勝で優勝をたぐり寄せた「引き胴」は璃華子さんから教わった。

 優勝の瞬間、それまでうちわで顔を覆っていた観客席の喜美代さんはタオルで目元を押さえ、「よく頑張ったとしか言えません」と娘をたたえた。

 「兄姉に優勝と感謝を伝えたら、連覇に向けてまた一から稽古です」。うれし涙をぬぐった井手さんは、早くも先を見据えた。

=2015/07/27付 西日本新聞朝刊=

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