スタンド沸騰 「次も頼む」響く歓声

西日本新聞

大声援を送る九州国際大付のアルプス席 拡大

大声援を送る九州国際大付のアルプス席

 第97回全国高校野球選手権大会で、九州国際大付は7日、鳴門(徳島)と対戦し、8-2で快勝した。序盤に先制し六回には打者一巡の猛攻。終始、試合の主導権を握り、初戦敗退した昨夏の雪辱を果たした。「良くやった」「次もこの調子で」。応援団や家族が見守るアルプス席は歓喜に包まれた。

 スクールカラーのオレンジや黄色に染まったアルプス席。「勝つぞー九国」「負けるなー九国」。メガホンを手にした生徒や保護者、卒業生たちの大声が、試合開始前のナインに注がれる。山口耀平選手(3年)の父善行さん(47)は「つなぐ野球で勝利を」と夏空を見上げた。

 試合は序盤から動いた。口火は初回、先頭の吉井恒平選手(3年)が右前安打でいきなり出塁。得点にこそ結びつかなかったが、これを誘い水に、二回には2死一塁の場面で中山竜秀(りゅうほ)選手(2年)が右中間を抜ける適時三塁打を放ち、先制に成功した。

 保護者たちと手を取り合って喜んだ中山選手の父直樹さん(42)は「この調子で、もう1点だ」。三回には吉井選手の三塁打などで1点を追加。母恵美子さん(47)は「調子はよくなかったのでうれしい」と、メガホンを握りしめた。

 アルプス席の盛り上がりが最高潮に達したのは六回。打者一巡の猛攻で5点を追加し、試合の行方を決定づけた。ヒットマーチの演奏に、ガッツポーズと忙しい吹奏楽部員。宮武克行部長は「チャンスでの演奏はいつでも歓迎。選手たちの活躍に部員も興奮気味です」と喜んだ。

 だが、直後の相手の攻撃で、これまで無失点に抑えていたエースの富山凌雅選手(3年)が1点を返されると「頑張れー」と、あちらこちらから激励の声。猛暑の中、粘投を続ける兄に、弟の翔輝(とき)君(16)は「昨年より迫力があってすごい」と目を輝かせた。

 七回からは野木海翔選手(3年)が継投。粘る鳴門を1失点に抑えた。母佐知子さん(47)は「何とか守ってくれた。このまま最後まで乗り切って」。

 九回。最後の打者を二ゴロに打ち取ると、スタンドの応援団は「昨年の分も」とばかりに喜びを爆発させた。野球部OBの神戸国際大1年家畠凛人さん(18)は「甲子園の雰囲気にのまれることなく伸び伸びと野球ができていた」と目を細め「1点の重みを感じて次も戦ってほしい」と激励した。

 「次も頼んだぞー」。試合終了後、アルプス席前で一礼する選手たちに、次戦へのエールがいつまでも続いた。

=2015/08/08付 西日本新聞朝刊=

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