龍谷の粘りに拍手 「ありがとう」応援席

西日本新聞

 第97回全国高校野球選手権大会で、県代表の龍谷は10日、初戦の秋田商(秋田)に1-3で敗れた。勝ち越しを許したのは終盤。それまでは互角の展開で、再三のピンチも粘りの野球で切り抜ける龍谷らしさを見せつけた。「よくやった」「お疲れさま」。涙をぬぐう龍谷ナインに、アルプス席から惜しみない拍手が送られた。

 「おいどんが龍谷ば、盛りあぐっバイ」。スクールカラーの紫で埋まったアルプス席は、20年ぶりの夏の甲子園に試合前から方言が飛び出すなど高揚した。

 先発した池田智浩投手(2年)の母、啓子さん(55)は「一球一球大切に投げてほしい」。一回裏、先頭打者から三振を奪い、その思いは届いたかに見えたが、直後に安打を許し、先制の1点を失う。

 好投する相手投手に反撃の糸口を探るも、四回まで9三振と沈黙する打線。ベンチとともに我慢の時間を強いられてきた応援団のストレスが解き放たれたのは五回表だった。

 主将の松永丈治三塁手(3年)が内野安打で出塁し、相手の捕逸で無死二塁。「これからだ。行け、行け」「かっとばせー」とアルプス席から大声が飛ぶ。

 好機で打席に立った北村大空左翼手(2年)の打球は右前へ。歓声を上げるアルプス席のすぐ前で、相手右翼手がボールの処理に手間取ると、松永選手が一気に生還、同点とした。

 「よっしゃー」と抱き合って喜ぶ応援団。北村選手の母、由美さん(44)は「息子を信じていました。ナイスバッティング」と感無量の様子で語った。後続は断たれたが、同校2年の中原敬和さん(17)は「これからだ」と声をからした。

 六回、七回と満塁のピンチを招くが、熱投を続ける池田投手が切り抜ける。「これぞ龍谷野球だ」。終盤の粘りに、応援にも熱が入る。

 しかし八回裏、ついに均衡が破れる。無死二、三塁のピンチを2死までしのぐが勝ち越し点を奪われ、池田投手は無念の降板。ベンチに下がる池田投手に、アルプス席の保護者から「ナイスファイト」と温かい声が注がれた。

 九回表最後の攻撃。全員フルスイングで臨むも相手投手を崩せず、三者三振で試合を終えた。

 「よく頑張った」「ありがとう」。試合後、悔しそうな表情の選手たちに応援団からねぎらいの声が相次いだ。古賀優大中堅手(3年)の父、典仁さん(41)は「精いっぱいの姿を見せてもらった」と目を潤ませた。

=2015/08/11付 西日本新聞朝刊=

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