大声援、九国逆転劇呼ぶ スタンド熱狂「次も勝つ」

西日本新聞

サヨナラ勝ちを決めた瞬間、大歓声を上げるアルプス席 拡大

サヨナラ勝ちを決めた瞬間、大歓声を上げるアルプス席

サヨナラ勝ちし、アルプススタンドに駆けだす九州国際大付の選手たち

 手に汗握る乱打戦は、劇的なラストに向けた前奏曲だった-。第97回全国高校野球選手権大会で、県代表の九州国際大付は13日、大阪偕星学園(大阪)に10-9でサヨナラ勝ちし、3回戦進出を決めた。地元の強豪を相手に持ち前の粘りと強打でつかんだ甲子園2勝目。「次も勝つぞー」「このまま突き進め」。興奮冷めやらぬアルプス席は、威勢のいい声が飛び交った。

 小雨がぱらつく中、三塁側アルプス席はチームカラーのオレンジで染まった。先発は、福岡大会決勝で完封した野木海翔投手(3年)。父、孝宣さん(47)は「いつも通りのピッチングなら大丈夫」とグラウンドを見つめた。

 しかし初回に先制され、三回にも相手が追加点。劣勢が続く。「もっと大きな声を出そう」。湿りがちなアルプス席に向かって、応援団長の3年住田有生(ゆうき)さん(18)が声を張り上げた。

 その直後、球場に響き始めた「頑張れ」の大合唱が反撃を呼び込む。三回裏、満塁の好機をつくると、山口耀平選手(3年)の犠飛で待望の初得点。続く岩崎魁人主将(3年)が振り抜いた打球は、バックスクリーン横へ。一気に同点に追いつき、応援団は一瞬、声を出すのも忘れてもみくちゃになって抱き合った。岩崎選手の父、富和(とみかず)さん(50)は「よし、このまま逆転だ」。

 五回裏、山口選手のこの日2本目の犠飛で勝ち越しに成功。続く山本武白志(むさし)選手(3年)の大きな当たりに、打球を見つめる応援団は「いけー!」「いけー!」「いけー!」と連呼。叫びに押されるように、打球はレフトスタンドに吸い込まれた。4点を追加したこの回。応援歌の一節「われらをしのぐ者はなし」の大合唱がアルプスに響いた。

 六回、エース富山凌雅(りょうが)投手(3年)が登場。六、七回で5失点し、1点を追う展開になったが、打撃の勢いは衰えない。

 七回裏、打者は山本選手。アルプス席から「むさしー、ホームラン」の声が飛んだ直後、打球はきれいな放物線を描いてスタンドに入り再び同点に。野球部OBの大学生、永井雄太郎さん(19)は「百点満点。この勢いでサヨナラだ」。

 九回裏、九国ドラマはクライマックスへ。1死三塁の場面で、応援団の祈りを受けた山口選手が、中前打を放ち、サヨナラ勝ち。

 「ウオー」「キャー」。アルプス席は抱き合ったり、泣き合ったり、叫び合ったりと興奮のるつぼに。この日大活躍した山口選手の兄、展希(のぶき)さん(21)は「弟ながら格好良すぎです」。

 試合前の雨雲は、いつの間にか、九国打線にきれいに吹き飛ばされていた。

=2015/08/14付 西日本新聞朝刊=

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