九国大付に新たな歴史 「強い」スタンド興奮

西日本新聞

完封勝ちを決めた瞬間、喜びを爆発させる九州国際大付の応援団 拡大

完封勝ちを決めた瞬間、喜びを爆発させる九州国際大付の応援団

 甲子園の夏空に描かれた放物線が、初の8強入りを呼び込んだ-。15日の第97回全国高校野球選手権大会3回戦。県代表の九州国際大付は、5年連続出場の作新学院(栃木)に2-0で競り勝ち、準々決勝進出を決めた。主砲の一発に呼応するように、エースも完封の好投。息詰まる熱戦を制し、三塁側アルプス席は歓喜に沸いた。17日の準々決勝は、第1試合で早実(西東京)と対戦する。

 2回戦のサヨナラ勝ちの勢いをそのままに、この日も試合前から盛り上がるアルプス席。初回、相手の攻撃を3人で抑える。1番打者、吉井恒平選手(3年)の父、英久さん(50)は「守備はいいぞ。まずは塁に出て主軸につなごう」と手をたたいた。

 二回裏、脇坂龍次選手(3年)がチーム初安打となる二塁打を放ち、応援のギアが一段上がる。だが、後続が相手の好守に阻まれ無得点に終わり、応援団にため息が漏れる。

 その後もスコアボードに「0」が続き、2回戦を2桁得点で勝ち上がった両校の一戦は、予想に反して投手戦の様相に。応援に駆け付けた北橋健治北九州市長は「九国は気持ちの強さがあるチーム。必ずやってくれるはずだ」。

 五回裏には、2死一塁から吉井選手の二塁打で、一塁走者が果敢にホーム生還を狙うが、無念のタッチアウト。相手も簡単には得点を許さない。

 均衡が破れたのは六回裏、2人が簡単に打ち取られた後だった。打席には前の試合で2打席連続本塁打の4番、山本武白志(むさし)選手(3年)。心地よい金属音を残した大飛球が、レフトスタンドに吸い込まれた。

 「うおー!」「やったー」。待ちわびた一発に、応援団は抱き合ったり、ガッツポーズをしたりとお祭り騒ぎ。山本選手の母、美砂子さん(53)は「すごい。でもまだ油断できないよ。ここからだ」と表情を引き締めた。

 七回表。2死満塁と、この試合最大のピンチを迎える。「がんばれー!」。大声援を受けたエース富山凌雅投手(3年)が、打ち取ってピンチを切り抜ける。野球部員で3年の小田切ケビン優さん(18)は「苦しい試合は県大会でも味わってきた。応援で後押しする」と声をからした。

 ピンチの後の七回裏。2死二、三塁の好機に、岩崎魁人主将(3年)の一打は中前に。貴重な追加点が入った。チアリーダーの五反田瞳さん(17)は「本当に強い。うれしい」と目を輝かせた。

 リードして迎えた九回表。熱投を続ける富山投手が三振などで2死を奪うと、「あと一つ」の手拍子がアルプス席に響き始めた。最後の打者を二ゴロで打ち取り、歓喜の大団円。脇坂選手の父、和則さん(56)は「良い打撃で活躍してくれた。すごい快挙だ」と目を赤くした。

 選手ひと言

 富山凌雅選手(3年) 今日は自分が助ける番と思ってマウンドに立った。

 岩崎魁人選手(3年) 回ってきた好機をものにすることができた。

 亀谷昇平選手(3年) 目標にしていた8強。達成できてうれしい。

 脇坂龍次選手(3年) つなぐ意識で、満足いく打撃ができた。

=2015/08/16付 西日本新聞朝刊=

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