九国、力出し切った 称賛の拍手やまず

西日本新聞

早実に敗れ、応援スタンドにあいさつに向かう九州国際大付ナイン=甲子園球場 拡大

早実に敗れ、応援スタンドにあいさつに向かう九州国際大付ナイン=甲子園球場

大きな拍手で選手たちをたたえる応援団

 「よくやった」「ありがとう」-。17日の第97回全国高校野球選手権大会準々決勝で、県代表の九州国際大付は早実(西東京)と対戦し、1-8で敗れた。思わぬ大差となったが、選手たちは諦めずに最後まで全力を尽くした。県勢で15年ぶりの8強入りを果たした九州国際大付。アルプス席からは、健闘をたたえる大きな拍手が鳴り響いた。

 今大会注目の1年生スラッガー清宮幸太郎選手を擁する早実との一戦。球場は平日の早朝にもかかわらず、3万人を超える大観衆の熱気に包まれた。

 一回表、1番吉井恒平選手(3年)をじっと見つめるのは、かつて所属した大阪府の少年野球チームのメンバーだ。同チームの伊藤大徹さん(14)は「いっぱい出塁して守備でも良いプレーを」と先輩にエール。

 二回表、先頭の4番山本武白志(むさし)選手(3年)が鋭い中前打を放つ。無得点に終わるが、応援のボルテージが徐々に上がる。

 ところが、その裏、1死一塁で相手打者の打球がレフトポールを直撃。何が起きたか分からないアルプス席が静まりかえる。2点を先制されるも「まだ序盤。盛り返すチャンスはある」と、野球部員の清水肇さん(18)が声を張り上げる。

 三回裏、亀谷昇平選手(3年)が難しい打球を好捕。母、恵子さん(41)は「最高。しっかり守り抜いて」と大きく手をたたく。

 四回裏、最も注意していた清宮選手に一発を浴びる。継投するも追加点を奪われ、3番手としてエースの富山凌雅投手(3年)が救援登板。弟の翔輝(とき)さん(16)は「兄ちゃんはピンチに強い。大丈夫」。

 チャンスが巡ってきたのは七回表。2死三塁で6番宇都颯(はやた)選手(3年)が打席に立った。

 「お~、は・や・た!」

 「エル・クンバンチェロ」の音楽に合わせて応援団が声をからす。宇都選手が振り抜いた打球は適時打に。父の求さん(46)は「甲子園での優勝が小学生からの夢だった。1本が出て良かった」と笑顔。

 7点を追う最終回の攻撃。「最後まで声援、頑張ろう」。応援団長の住田有生さん(18)の呼び掛けに、全員が姿勢を正して声を合わせる。しかし、願いは届かず試合終了。

 点差は開いたが、意地は見せた。結果を受け入れ、ぐっと涙をこらえる選手たち。山本選手の父でプロ野球ロッテ元監督の功児さん(63)は「これが勝負。仕方がない」。甲子園で4試合を戦い抜いた選手たちへ、温かい声と拍手がいつまでも続いた。

=2015/08/18付 西日本新聞朝刊=

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