ボートレースやまと学校117期生29人今月デビュー

西日本スポーツ

■九州・山口から4人 
 ボートレースの選手養成所「やまと学校」(福岡県柳川市)を9月18日に卒業した117期生29人(うち女子7人)が、11月に全国各地でデビュー戦を迎える。郷土勢は、卒業記念レースの「やまとチャンプ決定戦」に出場した花本剛(24)=山口=をはじめ、石川諒(26)=同、柴田直哉(25)、占部一真(23)=以上福岡=の4人が地元ファンの前に登場する。将来のボート界を背負って立つ、期待のスター候補を紹介する。 (渡辺将司)

 ◆熱血印は◎ リーグ戦勝率6・55 花本剛(はなもと ごう)山口・24歳

 「やる気、元気、負けん気は誰にも負けません」。花本剛は、訓練生活の最後までその言葉通りに振る舞った。6号艇で迎えた「やまとチャンプ決定戦」。花本は積極的に前付けを敢行し、3コースに潜り込んだ。結果はSで後手に回って5着だったが「自分らしいレースができたし、無事故で終われたことが何より良かった」と、すがすがしい表情を見せた。

 負けん気のルーツは小学1年で始めた野球。大学を卒業するまで実に16年間、野球漬けの毎日。高校3年の夏には甲子園のベンチ入りを果たした熱血球児だ。「諦めずに努力し続ければ、夢はつかめることを知った。結果が出るまで挑戦し続ける忍耐力を得ることができた」。やまと学校の入試も根気強く受け続け、5回目で合格。「合格通知を受け取った時は、これまでの人生で一番うれしかった」と再び夢をかなえた。

 操縦は「スピードがあって実戦的」(担当教官)と新人離れした腕前で、リーグ戦では勝率6・55の好成績を残した。「今村豊選手の講話と、原田篤志選手との2艇旋回が思い出です」と、同支部の大先輩の指導協力に感謝する。

 晴れてプロデビューを迎えるが、ここがスタート地点。「日本で一番強い選手になりたい。自分の夢をかなえ、そして周囲の人に夢を与えられる選手になりたい」。今はまだまだ夢の途中。果てしなく大きな夢に向かって、全力で突き進む。

 ◆水上で“パンチ力”発揮 石川諒(いしかわ りょう)山口・26歳

 艇界の“イシカワ・リョウ”になる-。プロゴルファー・石川遼と同姓同名の石川諒。「覚えやすい名前なので、たくさんの人に覚えてもらいたい」と笑う。

 在校勝率は4.16と下位。現時点の実力は“本家”には遠く及ばない。ただ、ポテンシャルの高さはピカ一。教官も「物事を客観的に見る力がある。派手さはないが、着実に成長できるタイプ」と、お墨付きを与える。その言葉通りに、リーグ戦は最終第7戦で初めての優出。1年間の厳しい訓練の最後に“遅咲き”の花はきちんと開いた。

 そんな秘めた能力を支えるのは我慢強さ。県大会優勝歴があるアマチュアボクシングの厳しい競技生活の中で培った。自身も「忍耐力があり、気持ちに浮き沈みがない」ことを売りに挙げる。個人競技出身で「訓練生活でリーダーシップは発揮できなかった」(担当教官)そうだが、「その失敗は今後の糧になったと思う」(同)。落ち着きに優れた男にとっては、全てが成長の材料だ。

 当面の目標は体重管理。約53キロとまだ削る余地ありだが「食事制限とランニングで減量します。問題ない」と、元ボクサーにとってはお手のもの。「いずれはSGの常連になれるよう、今は練習あるのみ! ボート界の石川リョウと呼ばれるように頑張りたい」。リングから水上へと戦いの場を移し、強烈パンチを打ち込む。

 ◆双子の兄と親孝行誓う 柴田直哉(しばた なおや)福岡・25歳

 柴田直哉は高校を卒業後、陸上自衛隊に入隊。東日本大震災の復興活動や、中米・ハイチ共和国への国際派遣などの任務にも当たった。そんな時、“出合い”は訪れた。からつボートで初めてレースを観戦。1マークでの攻防、スピード、迫力に圧倒された。やまと学校には6回目の受験で合格。「双子の兄(朋哉・119期選手養成員)と、一緒にボートレーサーになって親孝行をしようと話し合った。2人で活躍しようと誓った」と、レーサーに転身した。

 縁のあるからつでの現地訓練では、リーグ戦初優出。「初めてレースを見た水面を走れた喜びが今でも忘れられない。その水面で優出できたことが思い出」と、訓練生活を振り返る。教官からは「操縦面では良否なしの印象」との評価だが、温厚な性格は目立つ長所。同期はもちろん、先輩選手である指導員や、学校関係者からも愛されたキャラクターの持ち主だ。

 目標とする選手は今村豊。「訓練中に講話をいただいた時、レーサーとしてだけではなく、人間性の素晴らしさを感じた。ボクも人から愛されるレーサーになりたいと心底、思った」。兄・朋哉より一足先にプロデビューする25歳。偉大なる艇界の“レジェンド”を目指し、新たな人生を歩む。

 ◆高い分析力で父超えへ 占部一真(うらべ かずま)福岡・23歳

 憧れの父を目指して-。占部一真は、上智大学理工学部を卒業した理系の高学歴レーサー。加えて、毛筆6段、硬筆準2段、英検3級、漢検準2級と、資格を挙げればキリがない。それでも、G13勝、SG優出歴もある現役一流レーサーの父・彰二の背中を追って、資格の数も関係なしの世界へと飛び込んだ。

 在校勝率は3.67と、下から数えて4番目。リーグ戦では優出さえできなかった。教官からは「頭の回転が速く理解力も高いが、理論先行で体が付いてこなかった印象。プライドの高さを感じさせる面もある」と厳しい言葉を受けた。ただ、同期と支え合いながら卒業を迎えた結束の強さは、大学時代にラクロス部で培った団結力のたまもの。頭脳は欠点の自己分析で発揮され、「これからの自分にはもっと厳しさと謙虚さが必要」と、取るべき道も把握済みだ。

 目標は、憧れであり、同じ土俵に立つ今後はライバルになる父。「まだまだ足りないことだらけだが、少しでもいいレースができるように頑張りたい。そして、父と同じ2000勝を達成し、いつかは父を超えたい」と意気込む。「でも格好いいのは篠崎元志さんですね(笑)」とちゃめっ気も持ち合わせたインテリレーサーが、持ち前の分析力を駆使し、“親子鷹(だか)”を目指す。


=2015/11/03付 西日本スポーツ=

PR

レース アクセスランキング

PR

注目のテーマ