九州地区プロ自転車競技大会 競輪選手たちが熱戦

西日本スポーツ

 11月に久留米競輪場(福岡県久留米市)で開かれた競輪選手たちの競技会「第42回九州地区プロ自転車競技大会」は、五輪の種目にもあるスプリントやチームスプリントといった“花形”の種目以外でも名勝負が展開され、団体追い抜きでは大分チームが9連覇を達成。エリミネーションでは松尾信太郎(福岡)が初Vだった前回に続いて制覇するなど熱戦に沸いた。車券に関係なく競輪選手たちが火花を散らしたバンクの模様をリポートする。

 ▼団体追い抜き 大分チーム圧巻V9 主力の構成ほぼ変わらず 来年全国制覇狙う!

 まさにお家芸。団体追い抜き(団抜き)で伝統の強さを誇る大分チームが、他チームの挑戦を今年もはねのけ、9連覇を達成した。連覇中のチームに全て名前を連ねる小岩大介(31)はレース後、「もう、プレッシャーしかありませんでした」とポロリ。王座を守り続ける苦しさを明かした。

 持ち味のチームワークの良さが今年も発揮された。団抜きにスタミナが必要なのはもちろんだが、4人が縦列で走るため、風圧の負担を分担するための「先頭交代」の技術が勝負を左右する。大分はスムーズな先頭交代を繰り返して的確にラップを刻んだ。途中で脱落者が出るチームもいた(団抜きは3人がゴールすればOKなので競技は続行)が、大分は最後まで4人の連係を維持。スタミナの確保につなげた。

 9年という月日はあまりにも長い。「ずっと強いとはいっても、毎年毎年が常に勝負。自分たちもだんだんと年を取っていますんで…」(小岩)。けがなどの都合で多少のメンバーの入れ替わりはあっても、主力はほとんど変わらぬ構成。9連覇は、他支部との戦いはもちろん、年齢による体力の衰えという自分たちとの戦いにも打ち勝っている証拠だ。

 今年5月、地元の別府競輪場(大分県)で開かれた全プロ大会は、地元開催とあってV奪還に相当な意気込みだったが3位に終わった。「次こそは全国制覇を」と水を向けると、4人はそろってうなずいた。来年こそは全国の表彰台の真ん中に立つ。

 ▼福岡 松尾 エリミネーション連覇

 「連覇ですね」。エリミネーションで防衛を果たした松尾信太郎(32)の声が弾んだ。「自分の一番の得意分野の種目なので頑張った」。エリミネーションは、周回ごとに1人ずつ脱落していくサバイバルレース。最低でも人数分の周回を走りきらないと頂点に立てない過酷な競技だが、持ち前の粘っこさやしぶとさで、ライバルたちに競り勝った。

 残り人数が5人を切ったあたりから、レースは過酷さを増した。好永晃(24)=佐賀=が奇襲の単騎逃げでペースを乱しにかかったかと思えば、今度は松川高大(26)=熊本=が単騎逃げを敢行。「晃にやっと追い付いたと思ったら、今度は松川が飛び出して…。全く、何をしてくれるんだと…」。自分より若い選手たちの揺さぶりに苦笑いだったが、前回覇者は歯を食いしばって耐え抜き、2連覇のゴール。両手を上げてゴール線を通過した際に、思わずよろけてあわや転倒のシーンを演じてしまったのはご愛嬌(あいきょう)。それほどまでに体力が奪われるレースだったということだろう。

 松尾は「練習で鍛えてくれた園田匠さんや小川勇介君のおかげです」。同じホームバンクの小倉の仲間たちの協力に感謝した。そんな仲間らとともに、来年は再び全国の舞台を踏む。

 ◆地区プロとは 全国8地区(北日本、関東、南関東、中部、近畿、中国、四国、九州)で開催されるオール競輪選手の競技会。各地区とも例年、秋に開催し、成績上位者は翌年5月に開かれる全国大会「全日本プロ選手権自転車競技大会」(全プロ。来年は静岡・伊東温泉競輪場で実施)に駒を進める。

 九州地区プロは福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、鹿児島(宮崎、沖縄勢を含む)の6チームでの争い。福岡は昨年まで、福岡A(小倉)と福岡B(久留米)に分かれていたが今年から合併した。

    ◇      ◇

 ▼2015九州地区プロドキュメント

 午前10時20分 野田源一(福岡)の選手宣誓で開幕。

 10時30分 「4キロ個人追い抜き」から競技開始。トリの3組目に登場した前々回、前回Vの北津留翼(福岡)のスピードに「おお、速いっ」と声が上がる。北津留は断然のタイムでV3。

 午後0時15分 「4キロ団体追い抜き」のトリの3組目に登場した大本命の大分チームが堂々の9連覇。

 0時25分 観客による「素人脚自慢」予選。オートレースばりの距離ハンディに、追い込めなかった最高ハンディ選手が悔しそう。

 1時25分 「1キロタイムトライアル(TT)」で、12人中7番目に登場したベテラン大竹慎吾(大分)が暫定2位(最終結果は5位)に。場内実況アナは「50歳が2位です!」。

 1時40分 1キロTTを2連覇中の下沖功児(鹿児島)は3位。野口大誠(熊本)は初Vに「びっくりです」。

 2時20分 「エリミネーション」がスタート。普段は9車立てが最高のバンクに18車がひしめき合う。

 2時30分 エリミネーション2位の松川高大(熊本)が派手なガッツポーズでゴール。笑いを誘う。

 3時5分 表彰式第1部。団抜きVの大分チームが賞品を手ににっこり。

 3時25分 スプリント準決勝。楠木孝志郎(熊本)がゴール後に落車し、場内に悲鳴。楠木は担架で搬送。

 3時35分 チームスプリント開始。最後に登場した福岡チームが優勝。

 4時5分 ケイリンの決勝。山田英明(佐賀)が捲(まく)りを決めて初優勝。だが、レース序盤の他選手の走行に違反があったため「規定により再発走です」(場内放送)。これを聞いて山田は「ええ~。本当かよ…」。それでも結局は到達順位で確定。

 4時15分 スプリント決勝の1本目。荒井崇博(佐賀)が先取。

 4時40分 スプリント決勝の2本目。荒井が逃げて勝利し、連覇。荒井が「(本業の競輪の)いい練習になった」と余裕の表情だったのに対し、前田義和(鹿児島)は「荒井さんは全く隙がなかった」と脱帽。

 5時15分 閉会式。今年から小倉と久留米チームが合併して一つになった福岡チームが団体優勝。最後は記念撮影をパチリ。

=2015/12/01付 西日本スポーツ=

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