魅惑と幻想 HKTワールド 「サシコ・ド・ソレイユ」開幕

西日本スポーツ

 4都市をめぐるHKT48春のライブツアー「サシコ・ド・ソレイユ」が6日、名古屋市の日本ガイシホールで初日を迎えた。昨年6月に横浜アリーナで全国ツアーを終えてから8カ月。グループ単独では久々の大規模な会場でのライブは、サーカスをテーマに、フライングやワイヤアクション、十八番の寸劇など、ファンの目をくぎ付けにする演出が満載。昼と夜の2回公演、合わせて1万6000人が酔いしれた「HKTワールド」は、さらなる成長を予感させる、新たな旅の第一歩となった。 (古川泰裕)

 ●360度ファンを魅了

 アリーナ中央に設けられたメーンステージ。四方に伸びた花道の先には、4カ所のサブステージ。360度、どの角度にいてもメンバーの笑顔が届く会場レイアウトが、開演を待ちわびるファンの期待を高めていく。

 会場が暗転。幻想的なメロディーに乗せて、一輪車に乗った矢吹奈子がメーンステージを一周する。矢吹が端に置かれた小さな箱を開くと、そこはめくるめくHKTワールドの入り口だ。メンバーが運んできた魔法の鍋から煙が噴き出し、第1幕が開演。ワイヤでつるされた指原莉乃と宮脇咲良が宙を舞い、ステージのメンバーは花道を駆け抜け、ごあいさつとばかりに、ファンの近くで笑顔を振りまいた。

 旅の始まりを告げる号砲は、6thシングルでタッグを組んだ氣志團の「One Night Carnival」。

 「俺たちがここに来たのに、理由なんてない。ただ、名古屋のみんなに会いたかったのさ!」

 指原の気合の入ったあおりに、8000人が大歓声で応えた。続く「アイドルの王者」では、秋吉優花、荒巻美咲ら15人のマーチングドラム隊も登場。暗闇でオレンジ色に光るバチが規則正しく動き、グループ屈指の人気ナンバーを、華やかに彩る。度肝を抜く演出の後は、息をつかせず「ロックだよ、人生は…」「スキ!スキ!スキップ!」を連発。「ハロウィン・ナイト」では指原が再び宙を舞い、日本ガイシホールは、季節外れのハロウィーン・パーティー会場と化した。

 飛びまくるフロントメンバーに負けじと、シングル表題曲を歌っていない“非選抜”メンバーも躍動する。サプライズで“追加招集”された上野遥と松岡はなは、田島芽瑠、本村碧唯とともに「週末NotYet」で、はつらつとしたパフォーマンス。現代アイドルの貪欲さを歌った「尺が欲しい」では、選抜常連とはいえない12人が、会場に向かって大声で自分の名前をアピールした。“非選抜”を“干され”にしない指原支配人の心配りが、会場に笑顔を生み出していく。

 ●「全員野球」で成長

 中盤では、HKT得意の寸劇コーナーも復活。昨年末に放送された主演ドラマ「マジすか学園0」の設定を持ち出したはずが、某大人気ゲームの呪文や某大人気アニメの必殺技が飛び出す“カオス”な状態に。はちゃめちゃな展開で仲間を増やしていくストーリーは、大躍進をもたらした九州7県ツアーをほうふつとさせる。MCでは、2期生の冨吉明日香と坂口理子が奮闘し、メンバーの特技を紹介したり、裏の顔を暴露したりしながら客席を笑わせた。

 これからの季節にぴったりな「桜、みんなで食べた」で第1幕を終えたコンサートは、ユニット曲などを一新した第2幕(夜公演)で洗練され、輝きを増した。導線は整えられ、MCも参加メンバーがより積極的に切り込むことで、いっそう盛り上がりを見せた。指原支配人や咲良・兒玉という二枚看板の存在感は変わらず絶大だが、フロントメンバーに頼り切らない「全員野球」のパフォーマンスは、グループ全体を、さらに活性化させていくに違いない。

 “あいさつ回り”の九州ツアーと、強い結束につながったアリーナツアーと全国ツアー。旅に出るたび、HKT48は大きく成長して帰ってきた。少女たちが開いた新たな扉は、どんな景色につながっていくのか。23日には、東京・代々木第一体育館で、早くも第3幕が開演する。

 ●存在感放った「I4U」

 HKTならではの「全員野球」で盛り上げたコンサートの中で、特に成長の跡を見せたのが、2期生の上野遥(16)、岩花詩乃(15)、井上由莉耶(16)、宇井真白(16)の4人だ。非公式ユニット「I4U」(アイフォーユー)を結成し、独自にファンを楽しませてきたが、いずれもシングル表題曲には選抜経験がない。それでも、昨年の劇場4周年前夜祭で4人だけのイベントを行うなど頭角を現し、選抜メンバーに勝るとも劣らない存在感を放ち始めている。

 その筆頭の上野は、現在公開中のドキュメンタリー映画で主役級の大活躍。劇場をこよなく愛し、公演に全身全霊を注ぐ「劇場(シアター)の女神」は、期待の注目株だ。「深窓の令嬢」のような雰囲気の井上、人形のように整った顔立ちと毒舌が特長の岩花は美しさに磨きがかかり、大人びたルックスの宇井も、アイドルとしての「かわいらしさ」が日に日に増している。耳目を集める上野をはじめ、「I4U」がどんな活躍を見せるのか。今後も目が離せない。

=2016/02/18付 西日本スポーツ=

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